研究概要 |
RB1CC1については、乳癌の場合と同様に、唾液腺癌症例においても解析を行った。RB1CC1の発現を評価し、同時にp53やRBの発現評価と併用することで、有効な予後指標バイオマーカーとなることを実証できた。本内容については論文報告を行った。 頭頸部癌症例において、WRN, QL1 DNA helicaseが高発現であり、WRN-, QL1-siRNAにより、in vitro, in vivoともに腫瘍細胞に特異的・効果的な細胞死をもたらすことが可能であることを実証した。本内容については論文報告を行うと共に、特許出願を行った。また、研究内容は2011年6-7月に新聞各紙で報道された。 また、頭頸部癌ではp62/SQSTM1が高発現になると、Nrf2よりもより優位にGSH誘導が惹起され、酸化ストレス細胞死抵抗性となる。このことが癌細胞に放射線療法抵抗性を誘発し、臨床的予後を悪化(再発、転移)させていることを明らかにできた。本内容については論文として報告を行い、2013年8-9月に新聞各紙でも報道された。 精巣腫瘍については、DNMT3L-siRNA in vivoマウス治療実験を行ったが有意な治療効果を認めなかった。一方で、SOX2-siRNA in vivoマウス治療実験では有意な腫瘍成長阻害効果を認め、将来的な治療標的として有望であることを証明できた。本内容についても論文報告を行った。
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