研究課題
C型肝炎の治療としてインターフェロン(IFN)が使用されているが、治療の副作用として抑うつなどの神経症状の発生頻度が高いことが知られている。近年、IFNなどのサイトカインにより酵素誘導されるindoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)とうつ病などの神経疾患との関連性が注目されている。本研究は、IFN患者血清のIDOの主な代謝経路であるTrp-キヌレニン(Kyn)代謝経路の代謝産物6種(Trp、Kyn、アントラニール酸(AA)、キヌレン酸(KA)、3ヒドロキシキヌレニン(3HK)、3-ヒドロキシアントラニール酸(3HAA))をHPLCにて一斉解析し、IFN誘発性うつ発症とTrp-Kyn代謝産物との関連性について検討した。その結果、IFN治療に伴って、C型肝炎患者血清中のTrp濃度は減少し、Kyn、3HK濃度は増加することが明らかとなった。さらに、変動した代謝産物はIFN投与中止により、すみやかにIFN投与前の濃度に戻ることが判明した。また、IFN投与により抑うつを発症した症例では、抑うつを発症しない症例に比べ、3HKの増加が顕著であった。さらに、IFN治療に伴ってKyn/Trp比、3HK/KA比は増加し、特に抑うつを発症する症例での増加量は顕著であった。すなわち、血中Trp代謝産物である3HKの変動とIFN投与により発症する抑うつ発症との関連性が示唆され、Trp代謝産物の解析が抑うつ症状の発症に有用であることが推察された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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