研究課題/領域番号 |
23390159
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小山 洋 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30143192)
|
研究分担者 |
中澤 港 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40251227)
亀尾 聡美 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40312558)
山崎 千穂 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20506422)
三國 雅彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00125353)
|
キーワード | うつ / セレン / 質問紙調査票 / 光トポグラフィー / メンタルヘルス / 微量元素 |
研究概要 |
うつ病の一部にセレン欠乏が関与しているという仮説が出されている。うつ病は抑うつ気分や不安・焦燥を主症状とする精神疾患で、単一の病態ではなく様々な病因によって引き起こされる気分障害であると理解されており、その一部にセレン欠乏の関与が示唆されている。本研究では、抑うつ状態を独自開発した抑うつ症状と社会・生活環境ストレスに関する質問紙調査票「こころのチェックシート」と光トポグラフィーを用いた大脳の生理学的な部位別活動指標により類型化しつつ、それぞれの抑うつ状態のタイプごとでセレン栄養状態を評価し、セレンとうつとの関連を明らかにしようとするものである。 平成23年度は地域および職域で「こころのチェックシート」を実施した。実施人数は地域で200名、職域で500名であり、抑うつ状態と診断されたそれぞれ10名および20名に対して医師による面談を行い、背景にある社会・生活要因や人間関係のトラブルなどの要因について聞き取り調査を行った。「こころのチェックシート」における回答パターンによる抑うつ状態の類型化と面談から得られた社会・生活要因との関連について統計学的な検討を行っている。 血漿中セレン濃度およびGPx活性の測定を行い、測定方法の精度管理の確認を行い、次年度のおける測定に向けて準備を完了した。光トポグラフィーを用いての大脳の生理学的な部位別活動指標の計測についての倫理審査申請書については準備を行っている。 また、平成23年10月にはトルコで開催された国際微量元素学会に参加し、セレンを含めて各種微量元素の生体内における健康影響やメンタルヘルスとの関連についての最新知見に触れ今後の研究の進め方について示唆を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究フィールドとの関係は良好であり、次年度以降も「こころのチェックシート」の実施や、血液サンプルの採取について引き続き協力が得られることとなっており、研究実施上の制約がない。光トポグラフィーを用いての大脳の生理学的な部位別活動指標の計測については、現在、倫理審査申請書の準備を行っているところである。
|
今後の研究の推進方策 |
地域および職域において「こころのチェックシート」を実施するとともに血液サンプルの採取を行い、セレン栄養状態を血漿中セレン濃度の測定およびGPx活性の測定により把握し、心のチェックシートの回答パターンとの関連について統計学的に検討する。 また、従来から肥満とうつについてはその関連が指摘されてきたところであるが、セレンには肥満にともなうアディポサイトカイン異常を抑制する効果が見出されており、血漿サンプルを用いてアディポサイトカインの測定も追加で行う予定である。
|