研究課題
雄SHRSP5/Dmcrラット(1群6匹)を4群に分け、コントロール食、HFC食にウルソデオキシコール酸(ウルソ)を0、0.1%あるいは0.3%含有した餌を8週間摂食させた。それぞれ試験食の摂食が終了した時点で、ラットを解剖し、肝臓と血液を採取した。病理標本を作成し、脂肪化、炎症、細胞変性、線維化を顕微鏡で観察し、これらの進展へのウルソ添加の効果を検討した。HFC食は体重の増加を若干抑制したが、ウルソの投与はこの抑制を若干軽減した。HFC食は明らかに肝臓重量および肝臓/体重比を増加させた。一方、ウルソは量-反応的にこれらの増加を抑制した。HFC食はAST,ALTおよびγGTP値を上昇させたが、ウルソの投与はγGTPの増加のみ抑制した。H&E染色の結果をみると、HFC食は肝臓の脂肪滴(小脂肪滴、大脂肪滴)の沈着を増大させ、炎症細胞浸潤も増加させた。また、明らかに線維化面積を増大させた。一方、ウルソの投与は脂肪滴と線維化面積を減少させた。このメカニズムとして、胆汁酸合成系に関わる遺伝子の発現を検討した。CYP7A1の発現には影響を与えないが、CYP27A1の発現はウルソによって低下傾向であり、さらに解析を継続する必要がある。また、今までの研究において、HFC食による線維化には、UGTなどの胆汁酸の解毒に関わる酵素およびそれを制御する核内受容体(CAR,PXR)の発現が重要であることが判明しているので、これらを解析する必要性がある。以上をまとめると、EPAはHFC食による炎症を抑制したが、ウルソは脂肪沈着と線維化進展を抑制した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Digestive Diseases Sciences
巻: - ページ: -
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