研究課題/領域番号 |
23390163
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
荻野 景規 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70204104)
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研究分担者 |
汪 達紘 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90294404)
高橋 秀和 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90450402)
尾内 一信 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80351899)
尾長内 靖 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40399762)
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キーワード | アルギナーゼ / アルギニン / 炎症バイオマーカー / 呼気NO / hsCRP / ELISA |
研究概要 |
研究目的 アルギナーゼIの炎症バイオマーカーとしての有用性を検討し、新しい動脈硬化のリスク評価や予防・治療法を開発することを目的とする。 23年度の研究計画と実績 1)肝臓型アルギナーゼIに特異的で溶血の影響を除去できるELISAの開発 肝臓発現型ヒトアルギナーゼIの966bpの合成DNAをpET-24a(+)ベクターへ挿入し、大腸菌BL21(DE3)へ導入した。形質転換させた大腸菌を増殖させ、Western blotでアルギナーゼIの発現を確認し、精製した。その精製標品を用い、家兎に免疫し、ポリクローナル抗体を作成し、ELISAを完成させた。赤血球中に発現しているvariantに存在する8個のアミノ酸にのみ認識するモノクローナル抗体は、生成に成功していない。 2)喘息における血清アルギナーゼIの気道炎症バイオマーカーとしての有用性と血清IgEとの関連性-ヒト症例と動物モデルを用いた検討- 27例の喘息患者血清を用いて、血清アルギナーゼIが、気道炎症のバイオマーカーである呼気NOやアトピー性のマーカーであるIgEと逆相関する結果が出ていたので、さらに症例(166例)を増やして、アルギナーゼI、L-arginine、IgE、hs-CRP、NOx等NO関連血清因子と呼気NOの関連性を多変量解析で分析した。その結果、血清アルギナーゼIは、L-arginineと負の関係示し、hs-CRP、呼気NO、NOxと正の関係を示した。すなわち、アルギナーゼIは、L-arginineの調節を行っている。炎症機序においてhs-CRPとアルギナーゼIは正の関連性があり、炎症バイオマーカーとしての可能性があることが判明した。 3)ヒト単球系培養細胞及び末梢血好中球、単球によるアルギナーゼIの発現誘導法及び誘導機序の解明-マウス培養マクロファージとの比較- ヒト単球系培養細胞を用いて、MPAで分化誘導し、H202やH202とF 2+によるOH.等の酸化ストレス暴露により、アルギナーゼの誘導は証明されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験は、少し遅れがあるが、ヒト研究では目的を達している。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトデータの解析が計画より早めに進んでいるので、ヒトにおけるデータ解析結果を動物実験又は細胞実験で証明する方向に研究を進める。
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