研究課題
【目的】今までの動物実験や疫学研究よりインジウム-スズ酸化物(Indium-tin oxide:ITO)がヒトや実験動物に対して毒性を示すことが明らかになってきた。ITOの吸入によりヒトでは肺障害の発現は認められているが、肺以外の臓器におけるインジウムの動態や影響についての報告はほとんどない。今回、ハムスターを用いた慢性影響実験において肺のインジウム量および肝臓、腎臓、脾臓のインジウム濃度の推移よりインジウムの体内動態について評価を行った。【実験方法】ハムスターは1回投与量ITOとして3 mg/kg(2.2 mg In/kg、 ITO 3 mg 群)およびITO 6 mg/kg(4.5 mg In/kg、ITO 6 mg群)、対照群には滅菌蒸留水1ml/kgを週2回、16回、8週間にわたって気管内に反復投与を行った。最終投与後8週、16週、40週、78週目にハムスターを安楽死させた。肺、肝臓、腎臓、脾臓のインジウム濃度は各臓器の酸湿式灰化後ICP-MSを用いて測定した。【結果・まとめ】各群の総投与量はインジウムとして、ITO 3 mg群では4.8 mg±0.4 mg、ITO 6 mg群では9.5±0.9 mgであった。ITO 6 mg群の肺中のインジウム濃度は8週から40週では経時的に減少したが、40週から78週ではほぼ横ばいで推移した。ITO 3 mg群では8週から78週まで経時的に徐々に減少し、肺におけるインジウムの生物学的半減期は194.7週(3.7年)であった。一方、肝臓、腎臓、脾臓では臓器中インジウム量は経時的に増加した。ITOの経気道性吸入ではインジウムの肺クリアランスは非常に遅く、臓器蓄積性が高いことが明らかになった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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