対象地域での小学4年生から中学3年生を対象とした思春期調査を平成27度も実施した。本研究機関で毎年5回の調査を実施して、妊娠届出時、乳幼児健診のデータの突合を行って、2464人の本研究における最終データセットを構築した。 成果は次の様である。まず、思春期兆候のタイミングが早い子どもほど高血圧の家族歴をもっていることを明らかにした。思春期兆候は身長の伸び速度で観測した。思春期兆候が早い子どものは遅い子どもに比べてオッズ比が1.52(95%信頼区間が1.04-2.24)であった(Pediatr Int. 2016 Apr;58(4):284-9.)。また、児童生徒のスマホなどICTの利用状況について、ヤングのスケールを使って、依存レベルを測定し、それと生活習慣との関連を明らかにした。その結果、ICT依存傾向にある生徒は、生活習慣の乱れやBirlesonのスケールよって測定したうつ状態とに強く関連していた。 さらに、本研究のデータセット構築やその活用について、対象自治体と大学との間で協定を結び、今後本研究をふくめ事業化することとなった。
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