研究課題/領域番号 |
23390177
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
林 朝茂 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10381980)
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研究分担者 |
佐藤 恭子 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00381989)
圓藤 吟史 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20160393)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 内臓脂肪 / 疫学 / 生活習慣病 / 日系人 / コホート研究 / 国際情報交換 |
研究概要 |
日本サイドの研究:平成17年度(平成17年12月より)~19年度にかけて、主に男性を対象として(約1000名)、平成20年度~22年度にかけて主に女性を対象として(約650名)、CTによる腹部内臓脂肪と生活習慣病の関係を包括的に検討することを目的とした前向きコホート研究であるThe Ohtori Studyを立ち上げた。今回の主な目的は、平成17年度~19年度にかけて登録した参加者に対する追跡調査の実施である。今回6年目の追跡を行うため平成23年12月より追跡調査を開始した。現在まで追跡調査の進展状況は順調である。本年度は、第72回アメリカ糖尿病学会総会にて、“Apo A-1 and Apo B in Association with Abdominal Visceral Adiposity and Ectopic Fat Depots.”を発表した。また、第9回国際糖尿病連合西太平洋地区会議・第4回アジア糖尿病学会学術集会にて、“Visceral adiposity, not abdominal subcutaneous fat area, is associated with glucose intolerance in Japanese: the Ohtori study.”を発表した。 米国日系人糖尿病研究: 米国日系人糖尿病研究からは、Diabetes Care誌にて、“Patterns of Insulin Concentration During the OGTT Predict the Risk of Type 2 Diabetes in Japanese Americans.”を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成17年度(平成17年12月より)~19年度にかけて、主に男性を対象として(約1000名)、平成20年度~22年度にかけて、主に女性を対象として(約650名)、CT撮影による腹部内臓脂肪と生活習慣病の関係を包括的に検討することを目的とした前向きコホート研究であるThe Ohtori Studyを立ち上げた。本研究の主目的は、平成17年度から19年度にかけて登録されたThe Ohtori Studyの参加者約1000名に対する6年目の追跡調査の実施である。平成23年12月より追跡調査を開始しており、現在まで、順調に進んでいる。また、本研究のもう一つの課題は、本前向きコホート研究をCT撮影による内臓脂肪の評価と同時に、CT撮影による脂肪肝を評価しうる前向きコホート研究として整備することである。CT撮影での脂肪肝の評価は、同一断面で脾臓と肝臓のCT値の比によって評価される。今回我々は、2008年にフラミンガム研究(J Gastroenterol Hepatol. 2008;23:894-9)より報告された同様の方法を用いて、CT撮影により脂肪肝の信頼性の調査において良好な結果を得た。これをもとに、登録時の約1650名全参加者に対してCT撮影による脂肪肝の計測を行った。これにより、生活習慣病に対して内臓脂肪と同時に脂肪肝を評価する準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の主目的は、平成17年度から19年度にかけて立ち上げたThe Ohtori Studyの6年目の追跡調査の実施である。十分な追跡率を確保するために参加者に手紙等で追跡調査への参加を呼び掛けていく予定である。解析に対しては、順次サンプルサイズ的に可能な研究課題から行う。 (1)前向きコホート研究の追跡調査 ①対象:本年度も継続して、平成17~19年度にThe Ohtori Studyに登録された約1000名の6年後の追跡調査を行う。②健診施設場所は大阪府堺市の鳳総合健診センターである。③検査項目((a)詳細な問診。(b)身長、体重、ウエスト測定、血圧測定、胸部X線、呼吸機能、心電図、眼底検査、空腹時の血液検査、尿検査、腹超音波などである。(c)CT撮影による腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪の測定。(d)CT撮影による脂肪肝の評価。(e)血液検査項目として、空腹時血糖値、HbA1c、肝機能、腎機能、高感度CRPなどの炎症マーカー、インスリンなどの検査。上記血液の検査項目は、大阪府堺市の鳳総合健診センターにて行い、一部を外注により行う。)④CTによる腹部内臓脂肪・腹部皮下脂肪・脂肪肝の計測は大阪市立大学大学院医学研究科産業医学教室内で行う。⑤データのファイル入力、データの管理に関しては、鳳総合健診センター、ならびに、大阪市立大学大学院医学研究科産業医学にて行う。 (2)データの解析:サンプルサイズ的に解析可能となった研究課題より順次行う。 ①腹部内臓脂肪と脂肪肝・インスリン抵抗性との関係を縦断研究にて明らかにする。②腹部内臓脂肪と2型糖尿病・高血圧・高脂血症・メタボリック症候群などの生活習慣病との関係を縦断研究にて明らかにする。③上記の①②の課題に対して、脂肪肝を考慮して検討する。
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