研究実績の概要 |
「研究目的」近年、大人社会の夜型化や24時間化が進み、その影響で子どもの睡眠が夜型化し、子どもの成長や行動などに問題を引き起こすのではないかという懸念が広がっている。しかし、幼児用(保護者記入)の標準化された評価尺度が無かったため、幼児の朝型 ‐夜型の個人差や夜型化傾向に関する研究は立ち遅れている状況にあった。本研究では、自記式尺度Children’s Chronotype Questionnaireの日本語版(CCTQ-J)の開発と信頼性・妥当性の検証を行い、CCTQ-Jを用いた実証的研究を実施し、日本人の子どもにおける朝型‐夜型(M/E)の個人差に関する分布を明らかにすること(全国調査)、その関連要因等の検討を行うこと(岡山調査)を目的とする。「研究成果」層化集落抽出法にて、全国の幼稚園・保育所から無作為に抽出した保護者11,000人を対象に、平成25年10~12月にかけて「子どもの睡眠と健康に関する調査」を実施し、平成26年3月にデータの入力を終了した(8,068人)。平成26年度は、入力データのクリーニングを行い、8,068人から130人(年齢無記入35人、7歳上22人、3歳未満73人)と282人(CCTQ-M/Eに1項目以上の欠測値)を除く7,656人を対象に、解析を行った。CCTQ-M/E の定義(23点以下を朝型、24~32点を中間型、33点以上を夜型)を用いると、朝型は32.4%、中間型は57.4%、夜型は10.3%と算出された。以上より、全国の夜型の園児数は約38万人に上ると推計された。平成25年度に実施した岡山調査(幼稚園4施設、保育園7施設:4-6歳児959人)については、全国調査の調査項目に関連要因等の項目を追加して実施された。平成26年度は、入力データのクリーニングが終了し、解析を継続しているところである。
|