研究課題
本年度は、主にQ-TOFMSを使用して、自然毒を含む薬毒物及び合成カンナビノイドを含む乱用薬物の分析法の開発を行なった。ヒト血漿試料(各300 microL)を塩基性条件下あるいは酸性条件下で、酢酸エチル600 microLで抽出し分析した。すると、AM-1220、AM-2232及びMAM-2201が検出された。また、血漿試料中の代謝物を探索したところ、いずれの血漿試料からも3-naphthoylindole及び3-(4-methylnaphthoyl)indoleと推定される化合物が検出された。そこで、これらの標準品を合成し、確認分析を行った後、定量分析を実施した。さらに、AM-1220のインドール環の一水酸化体と推定される化合物等が検出された。一方、MAM2201を5 mg/kgで腹腔内投与したラットの尿試料(24時間蓄尿採取)をメタノール除タンパク法で前処理を行い、LC-Q-TOFMSで分析を行った。その結果、精密質量測定プロダクトイオンスペクトルから、MAM2201のモノヒドロキシ体、MAM2201のジヒドロキシ体、脱フッ素化・水酸化体、脱フッ素化・カルボン酸体およびそのモノヒドロキシ体等の代謝物の化学構造を良好に同定することが可能であった。次いで、経口妊娠中絶薬であるミフェプリストンの検出を実際例で試みた。UPLC-MS-MSでは、MRMモードでミフェプリストンと考えられるピークが検出されたものの、MS/MSモードでは検出不能であったものが、LC-Q-TOFMSを用いると、精密質量や同位体比から、当該ピークがミフェプリストンで、標準品と同一のMS/MSスペクトルが取得でき、同一であることが確定した。また、代謝物と考えられるピークも検出され、現在標準品との比較を行なっている。これらのことから、LC-Q-TOFMSは法医学へ広く応用可能であることが期待できる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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