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2014 年度 実績報告書

アレキシサイミアにおける、自己意識・メタ認知に関する統合的脳機能画像研究

研究課題

研究課題/領域番号 23390192
研究機関群馬大学

研究代表者

守口 善也  群馬大学, 保健学研究科, 教授 (40392477)

研究分担者 小牧 元  国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (70225564)
熊野 宏昭  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90280875)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワード心療内科学 / 心身症 / アレキシサイミア / 脳神経科学
研究実績の概要

アレキシサイミア(失感情症)とは,心身症において,自己の情動の同定や表現の困難を主徴とする,情動処理の障害に関わる重要な病態生理である。今回の研究では,その中心テーマである,自己の身体―情動状態の変化とその認知を,機能的磁気共鳴画像 を用いて,その脳内の神経経路・ネットワークを構成するそれぞれの脳部位の局所の脳活動,及び脳内の複数の部位間の機能連絡について明らかにすることを目標としている。自己意識の4つの要素のうち、本年度は特に情動の体験の認知と自伝的記憶に立脚した感情体験の機能的磁気共鳴画像(fMRI)の実験結果の解析と報告を行った。まず、情動の体験の認知については、特に内受容感覚の認知の鋭敏さが不安を増大させる影響があることを明らかにし、さらにfMRIで脳活動を撮像によって、内受容感覚への気づきに重要な島皮質の活動が、アレキシサイミア群で低下していることが明らかになり、現在さらなる解析を進めつつ、論文投稿準備中である。また、自伝的記憶と情動体験の関係では、webを用いて日常の出来事を記録するシステムを開発し、その上でポジティブ・ネガティブな記憶がどのような経過をたどるかを8ヶ月フォローアップした結果、ポジティブな記憶の方がより保たれることが判明し、fMRI撮像の結果、海馬の活動がこのポジティブな記憶の保持に関わっていることを明らかにし、現在論文投稿準備中である。さらに、情動刺激の際に起こる自己の内面の情動変化を,第3者的に俯瞰的に観察した時(メタ認知)の脳活動と心電図を同時計測したところ、心拍変動の副交感成分と島皮質・腹側前帯状回の活動・機能的結合が関連している事が判明し、現在論文を投稿し、査読中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究全体の方向性、実験デザインの考案などはおおむね進んでいるものの、MRI実験に用いる課題の妥当性の検証・開発にやや時間を要し、また目的とした課題のfMRI撮像は終了し、データの解析も進み、論文化の準備も進んでいるが、まだ結果を論文化するまでに至っておらず、その部分の進行がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

おおむね、当初の推進方策に従って行ってよいと考えているが、やや当初のfMRIのための課題開発や、実験デザインの考案・妥当性検証に時間を要した分、今後の研究計画の取捨選択や撮像予定をスピードアップする必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Modeling circadian and sleep-homeostatic effects on short-term interval timing2015

    • 著者名/発表者名
      Sepati J, Aritake S, Meyer AH, Kitamura S, Hida A, Higuchi S, Moriguchi Y, Mishima K.
    • 雑誌名

      Frontiers in integrative neuroscience

      巻: 9:15 ページ: epub

    • DOI

      10.3389/fnint.2015.00015

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Interoceptive sensitivity predicts sensitivity to the emotions of others.2014

    • 著者名/発表者名
      Terasawa Y, Moriguchi Y, Tochizawa S, Umeda S
    • 雑誌名

      Cognition & emotion

      巻: 28(8) ページ: 1435-48

    • DOI

      10.1080/02699931.2014.888988

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Activation of the prefrontal cortex while performing a task at preferred slow pace and metronome slow pace: a functional near-infrared spectroscopy study2014

    • 著者名/発表者名
      Shimoda K, Moriguchi Y, Tsuchiya K, Katsuyama S, Tozato F
    • 雑誌名

      Neural plasticity

      巻: 269120 ページ: epub

    • DOI

      10.1155/2014/269120

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sleepiness induced by sleep-debt enhanced amygdala activity for subliminal signals of fear2014

    • 著者名/発表者名
      Motomura Y, Kitamura S, Oba K, Terasawa Y, Enomoto M, Katayose Y, Hida A, Moriguchi Y, Higuchi S, Mishima K
    • 雑誌名

      BMC Neurosci

      巻: 15:97 ページ: epub

    • DOI

      10.1186/1471-2202-15-97

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Basic Neuroscience 画像 fMRIによるニューロフィードバック2014

    • 著者名/発表者名
      守口善也
    • 雑誌名

      Annual Review神経

      巻: 1 ページ: 43-50

  • [図書] 1 アレキシサイミアと社会脳. 自己を知る脳・他者を理解する脳 ――神経認知心理学からみた心の理論の新展開2014

    • 著者名/発表者名
      守口善也
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      新曜社

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公開日: 2016-06-10  

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