研究成果の概要 |
アレキシサイミアとは自己情動の同定や表現困難を主徴とする心身症での重要な病態生理である。今回は,自己の身体―情動状態の変化とその認知の脳内基盤に関する知見を,fMRIを用いて得ることが目的である。'自伝的記憶に立脚した自己継続感’について日常の出来事を記録するwebシステムにより,ポジティブな記憶の方が保持され,海馬の活動の関与を明らかにした。情動刺激の際の脳活動と心拍変動との同時測定では,心拍変動の副交感成分と島皮質・腹側前帯状回の活動・機能的結合が関連していた。さらに、内受容感覚の認知の鋭敏さが不安を増大させ,内受容感覚への気づきに重要な島皮質の活動が,アレキシサイミア群で低下していた。
|