研究課題/領域番号 |
23390207
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大内 乗有 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (00595514)
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研究分担者 |
室原 豊明 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90299503)
柴田 玲 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (70343689)
大橋 浩二 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (10595515)
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キーワード | 分子心臓病態学 / 虚血性心疾患 |
研究概要 |
本研究では、虚血性心疾患に対するフォリスタティン関連蛋白の意義を明らかにするため、現時点で以下のような実験の結果を得ている。 1.フォリスタティン関連蛋白欠損マウスと対照マウスに対して心筋虚血再灌流モデルを作製するとフォリスタティン関連蛋白欠損マウスでは心筋虚血再灌流後の心筋梗塞サイズが有意に増大していた。 2.フォリスタティン関連蛋白を野生型マウスに全身投与すると虚血再灌流後の心筋梗塞サイズが有意に減少していた。 3.フォリスタティン関連蛋白を心筋細胞に添加すると低酸素再酸素化刺激によるアポトーシス反応を有意に抑制した。 4.フォリスタティン関連蛋白を心筋細胞に添加するとAMPキナーゼが活性化した。 5.虚血性心疾患における、血中フォリスタティン関連蛋白の臨床的意義については、フォリスタティン関連蛋白の血中濃度測定と解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では、遺伝子改変マウスを用いたマウスレベルにおいて内因性フォリスタティン関連蛋白が急性心筋障害に対して保護的に作用し、フォリスタティン関連蛋白投与が急性心筋障害を抑制するという結果が得られている。また、フォリスタティン関連蛋白は心筋細胞のアポトーシスを抑制し、AMPキナーゼの活性化するという結果が得られている。血中フォリスタティン関連蛋白の測定は継続している。従って、フォリスタティン関連蛋白の虚血性心疾患における役割は細胞レベルと個体レベルで明らかになりつつある。これらの達成度は当初の研究計画の予定を考えると順調であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
虚血性心疾患に対するフォリスタティン関連蛋白の意義を明らかにするため、前年度までの研究成果を踏まえて、以下の解析を行う。1.前年度までに、フォリスタティン関連蛋白欠損マウスは対照マウスに比して心筋虚血障害が悪化していることが明らかとなった。また、フォリスタティン関連蛋白は心筋虚血障害を抑制していた。今後は、心筋虚血モデルの作成を継続し、マウスレベルでのフォリスタティン関連蛋白による心筋保護作用の作用機序とそのシグナル伝達機構を解明する。2.前年度までに、フォリスタティン関連蛋白は培養心筋細胞に対して保護作用を有し、AMPキナーゼを活性化することを明らかにした。今後は、培養心筋細胞を用いて、フォリスタティン関連蛋白のシグナル伝達機序とさらなる機能を解明する。3.血中フォリスタティン関連蛋白の測定を継続し、虚血性心疾患における、血中フォリスタティン関連蛋白の臨床的意義をさらに検討する。
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