研究概要 |
(1) 心筋リプログラミングを誘導するエピジェネティック因子の同定 エピジェネティック変化を誘導する因子として心筋リプログラミング過程で誘導されるエピジェネティック因子の中で心筋誘導エピジェネティック変化を惹起しうるものを候補と考えスクリーニングした。これまでの実験でマイクロアレイとエピジェネティック解析の結果より、6つのエピジェネティック因子が候補となった。今後スクリーニング方法としてはa-MHC GFPマウスの心臓線維芽細胞を用いて、エピジェネティック候補因子をsiRNAでノックダウンしたのちGata4/Mef2c/Tbx5を導入してiCM細胞作成率をFACSで定量的に解析する予定である(Ieda M, Cell, 2010)。心筋リプログラミングに重要なエピジェネティック因子であればiCM細胞の作成効率は低下する。 (2) 心筋細胞特異的に発現するマイクロRNAの同定 マイクロRNAによる心筋リプログラミング制御機構を解明するため、まず心筋細胞に特異的に発現するマイクロRNAを同定する。方法としては自ら開発した心筋細胞と心臓線維芽細胞のFACSによる高純度な細胞選別法を用いて(Ieda M, Dev Cell, 2009)、心筋特異的マイクロRNAの発現をマイクロアレイで解析する。これまでの実験の結果、既知のmiR-1,miR-133に加えて10の新規心筋特異的マイクロRNAを見出した。今後アレイの結果およびiCM細胞におけるマイクロRNA の誘導をqRT-PCRで確認する。
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