研究概要 |
FGF9誘導肺癌における責任受容体の同定 免疫染色法にてFGF9の強制発現により形質転換する細気管支上皮細胞と腫瘍に発現するFGF受容体をスクリーニングした。さらに、SPC-rtTA, TRE-Fgf9-IRES-eGfpダブルトランスジェニックマウスに受容体欠損マウスを掛け合わせ、受容体欠損がFGF9強制発現による腫瘍形成を阻害できるか否かを決定した。FGF9の上皮細胞への効果がautocrine であるとすると、RNAスプライシングの結果として上皮に選択的に発現するb変異体である可能性が高く、肺発生期におけるこれまでの知見から、FGFR3bが責任受容体として最も可能性が高いと予測している。FGFR3欠損マウスと、SPC-rtTA, TRE-Fgf9-IRES-eGfpダブルトランスジェニックマウスを交配させ、ドキシサイクリンを用いたところ、FGFR3欠損をもつSPC-rtTA, TRE-Fgf9-IRES-eGfpダブルトランスジェニックマウスには腫瘍が発現しなかったことから、本腫瘍形成に関与する責任受容体はFGFR3であると決定した。 長期喫煙曝露モデル(5ヵ月喫煙後4ヵ月禁煙)(Stinn, Toxicology, 2010)と4-(methylnitrosoamino)-1-(3-pyrid yl)-1-butanone (NNK)経気道的投与による化学発癌モデル(Yang, J Biol Chem, 2004)を作成した。現在までのところ、野生型マウスでの腫瘍形成の予備実験まで行っている。各群20匹で試験を行っている。
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