研究課題
慢性腎臓病の進行や透析患者の生命予後においてリンコントロールは非常に重要な役割を演じている。近年、リン酸(以下リン)代謝調節系を支配する中核的なホルモンとして繊維芽細胞増殖様因子 FGF23/klotho系が明らかにされた。本研究では、腎遠位尿細管から近位尿細管へのシグナルを伝える FGF23/klotho系の解明を中心に、腸管/腎臓/骨を結ぶ未知のリン調節因子の探索を行なった。平成25年度は、平成24年度の実績を基盤として、以下の3項目について実施した。項目1: FGF23/Klothoの近位尿細管細胞でのリン輸送における役割、項目2: FGF23/Klothoシグナルに関与する K205クローンの機能解析、項目3: Klotho(-/-)および Klotho(-/-)/NaPi-IIc(-/-)の表現型解析である。項目1においては、 FGF23による NaPi-IIcの制御機構を、平成24年度に引き続き実施した。とくに、組み替え型 FGF23の投与により、 Npt2a-KOマウスにおける NaPi-IIc機能は、速やかに消失するために、 NaPi-IIcの不活性化機序に焦点を当てた。その結果、腎臓スライスを用いた解析系において、 FGF23はリン輸送機能を短時間で阻害した。その場合、タンパク質量の変化は観察されなかった。さらに、 FGF23によるNaPi-IIcにおけるリン酸化修飾部位を同定した。項目2においては、クローン K205の膜輸送体およびその切断型の機能について可能性を検討した。膜局在型 K205は、リン輸送を制御する可能性が示唆された。項目3においては、Klotho(-/-)/NaPi-IIc(-/-)マウスを交配により作製し、寿命やリン代謝の改善効果について、新しい知見を得た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件) 学会発表 (23件) (うち招待講演 7件) 図書 (11件)
J Am Soc Nephrol.
巻: vol.25, No.4 ページ: 761-772
10.1681/ASN.2013060569.
Clin Calcium.
巻: Feb;24(2) ページ: 249-255
CliCa1402249255.
J Clin Biochem Nutr.
巻: Mar;54(2) ページ: 102-108
10.3164/jcbn.13-109.
Am J Physiol Renal Physiol.
巻: Apr;306(7) ページ: 744-50
10.1152/ajprenal.00474.2013.
J Med Invest.
巻: 61(1.2) ページ: 162-70
Toxicol Sci.
巻: Apr 19. ページ: 印刷中
Endocrinology
巻: 154 ページ: 1680-1689
10.1210/en.2012-2240
Kidney Int
巻: 83 ページ: 41-49
10.1038/ki.2012.
Contrib Nephrol
巻: 180 ページ: 86-97
10.1159/000346786.
J Med Invest
巻: 60 ページ: 138-145
巻: 60 ページ: 27-34
巻: 154 ページ: 1156-1167
10.1210/en.2013-1915.
J Ren Nutr
巻: 23 ページ: 1-20
10.1053/j.jrn.2012.02.006.
Am J Nephrol
巻: 37 ページ: 346-358
10.1159/000348805.
Clin Calcium
巻: Oct;23(10) ページ: 1445-1450
CliCa131014451450.