研究概要 |
平成24年度は、腎胎生期マーカー遺伝子の発現を指標として急性腎障害回復期の腎組織をコラゲナーゼ処理して、FACSで細胞を単離した。具体的なマーカーとしては、Ets1, Wnt4, Delta-1,Notchが候補であるが一般的な未分化のマーカーのc-kit, Sca-1についても検討した。 また細胞周期の変化と再生をin vivoでモニターできるTGマウス(Fucci mice)を使用し、急性腎障害の尿細管再生を共焦点顕微鏡でモニターし、脱分化のメカニズムを詳細に検討した。また腎組織をコラゲナーゼ処理して、FACSで細胞をFITC、 Alexaをマーカーとし単離し培養した。GFP-LC3-トランスジェニックマウスを使用し、急性腎障害でオートファジーが引き起こされる新規遺伝子Sestrinに注目し、Sestrinが急性腎障害回復期に近位尿細管細胞で誘導され,LC3-GFPで観察されるAutophagozomeとの局在を共焦点顕微鏡で観察した。またSestrin遺伝子の強制発現およびsiRNAによる遺伝子発現抑制系を用いて、LC3-GFP遺伝子を安定発現させた培養尿細管細胞でオートファジーの変化とアポトーシスの抑制を現在確認している。同時にRT-PCR, Western blotを用いた遺伝子とタンパク発現の両面からSestrinのオートファジー系への作用を検討する。急性腎障害でHIF-1依存的に誘導される新規遺伝子BNIP3に注目し、BNIP3が急性腎障害回復期に近位尿細管細胞で誘導され,LC3-GFPで観察されるAutophagozomeおよびMitophagyとの局在を電子顕微鏡で観察した。 上記内容を学会発表し、論文で発表をした。
|