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2011 年度 実績報告書

ネフロン幹細胞の維持機構解明による自己複製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23390228
研究機関熊本大学

研究代表者

西中村 隆一  熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)

キーワード発生・分化 / 腎臓発生 / 幹細胞
研究概要

成体の腎臓は再生しない臓器であるが、胎児期の腎臓では、後腎間葉と呼ばれる組織から糸球体、近位及び遠位尿細管などネフロンを構成する多系統の細胞が分化してくる。我々は、後腎間葉に発現する核内因子Sall1が腎臓発生に必須であること、間葉中のSall1を高発現する集団に多能性の幹細胞が存在すること、さらにこの胎児型ネフロン幹細胞がSall1欠損によって出生前に枯渇することを明らかにした。本計画は、独自に作成した複数の遺伝子改変マウスを用いて、胎児期ネフロン幹細胞で働く分子ネットワークを解明し、その情報を使ってこの幹細胞を自己複製・維持させることを目的とする。通常は生後に消失するネフロン幹細胞を未分化なまま維持できれば、腎臓再生に向けて大きな一歩となると期待される。
平成23年度は以下の実験を行った。ネフロン幹細胞特異的Sall1欠失マウスでは、胎生期に幹細胞が枯渇する。また薬剤誘導性Sall1欠失マウスの胎生12.5日にタモキシフェンを投与すると1日でSall1が消失し、最終的には同じ症状になることを確認した。これらに共通して変動する遺伝子群をマイクロアレイ及び定量PCRで探索し、さらにin situハイブリダイゼーションや免疫染色で確認した。こうしてSall1の下流候補遺伝子群を同定した。今後、クロマチン免疫沈降を用いてこれらがSall1の直接の標的であるかを検討するとともに、Sall1と結合してネフロン幹細胞を維持する因子群を探索する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数の遺伝子改変マウスを用いて、Sall1の下流候補遺伝子群を同定できたため。

今後の研究の推進方策

発生期腎臓を使ってクロマチン免疫沈降を行い、Sall1の直接の標的遺伝子を同定する。さらい幹細胞維持機構解析から得られた情報から、液性因子やその受容体、シグナル伝達因子を抽出し、胎生期ネフロン幹細胞の自己複製/維持法の開発を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sall1 regulates cortical neurogenesis and laminar fate specification in mice : implications for neural abnormalities in Townes-Brocks syndrome2012

    • 著者名/発表者名
      Harrison SJ
    • 雑誌名

      Dis.Model Mech.

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1242/dmm.002873

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nephron progenitors in the metanephric mesenchyme2011

    • 著者名/発表者名
      Nishinakamura R
    • 雑誌名

      Pediatr.Nephrol.

      巻: 26 ページ: 1463-1467

    • DOI

      10.1007/s00467-011-1806-0

    • 査読あり
  • [学会発表] 発生期におけるネフロン前駆細胞維持機構2011

    • 著者名/発表者名
      西中村隆一
    • 学会等名
      第54回日本腎臓学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-15
  • [学会発表] Nephron progenitors in the embryonic kidney2011

    • 著者名/発表者名
      西中村隆一
    • 学会等名
      The 11th Asian Congress of Pediatric Nephrology
    • 発表場所
      福岡国際会議場(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/divisions/integrative_cell_biology/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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