• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

ネフロン幹細胞の維持機構解明による自己複製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23390228
研究機関熊本大学

研究代表者

西中村 隆一  熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード発生・分化 / 腎臓発生 / 幹細胞
研究概要

成体の腎臓は再生しない臓器であるが、胎児期の腎臓では、後腎間葉と呼ばれる組織から糸球体、近位及び遠位尿細管などネフロンを構成する多系統の細胞が分化してくる。我々は、後腎間葉に発現する核内因子Sall1が腎臓発生に必須であること、間葉中のSall1を高発現する集団に多能性の幹細胞が存在すること、さらにこの胎児型ネフロン幹細胞がSall1欠損によって出生前に枯渇することを明らかにした。本計画は、独自に作成した複数の遺伝子改変マウスを用いて、胎児期ネフロン幹細胞で働く分子ネットワークを解明し、その情報を使ってこの幹細胞を自己複製・維持させることを目的とする。通常は生後に消失するネフロン幹細胞を未分化なまま維持できれば、腎臓再生に向けて大きな一歩となると期待される。
これまでに以下の実験を行った。ネフロン幹細胞特異的Sall1 欠失マウスでは、胎生期に幹細胞が枯渇する。また薬剤誘導性Sall1 欠失マウスの胎生12.5日にタモキシフェンを投与すると1日でSall1が消失し、最終的には同じ症状になることを確認した。これらに共通して変動する遺伝子群をマイクロアレイ及び定量PCRで探索し、in situハイブリダイゼーションや免疫染色で確認した。こうしてSall1の下流候補遺伝子群を同定した。さらにクロマチン免疫沈降を用いてこれらの一部がSall1の直接の標的であることを解明した。今後、これらの情報を元に、胎生期ネフロン幹細胞の自己複製/維持法の開発を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

複数の遺伝子改変マウスを用いて、Sall1の下流候補遺伝子群を同定できた。またクロマチン免疫沈降を用いて、それらの一部が確かにSall1の直接の標的であることを解明できたため。

今後の研究の推進方策

幹細胞維持機構解析から得られた情報から、液性因子やその受容体、シグナル伝達因子を抽出し、胎生期ネフロン幹細胞の自己複製/維持法の開発を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sall1 regulates cortical neurogenesis and laminar fate specification, implications for neural abnormalities in Townes Brocks Syndrome.2012

    • 著者名/発表者名
      Harrison SJ
    • 雑誌名

      Dis. Model. Mech.

      巻: 5 ページ: 351-365

    • DOI

      10.1242/dmm.002873

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Generation of kidney from pluripotent stem cells via blastocyst complementation.2012

    • 著者名/発表者名
      Usui J
    • 雑誌名

      Am. J. Pathol.

      巻: 80 ページ: 2417-2426

    • DOI

      10.1016/j.ajpath

    • 査読あり
  • [学会発表] The role of Sall1 in the kidney development.2012

    • 著者名/発表者名
      神田 祥一郎
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [学会発表] Sall1 has dual functions in the kidney development.2012

    • 著者名/発表者名
      Kanda S
    • 学会等名
      10th International Society of Stem Cell Research
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      20120613-20120616
  • [備考] 熊本大学発生医学研究所 腎臓発生分野

    • URL

      http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/divisions/integrative_cell_biology/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi