研究課題/領域番号 |
23390229
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 秀臣 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60396752)
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研究分担者 |
高橋 祐二 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00372392)
後藤 順 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10211252)
関 常司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30206619)
堀田 晶子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20534895)
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キーワード | 片頭痛 / 尿細管性アシドーシス / NBCe1変異 |
研究概要 |
NBCe1(SLC4A4)遺伝子解析:NBCe1は4q21の片頭痛感受性遺伝子座(Am J Hum Genet73:986,2003)の近傍に位置する遺伝子座SLC4A4に属し、サブタイプのNBCe1Cは主に脳に限局して発現している。このNBCe1のホモ変異によって引き起こされる近位尿細管性アシドーシス(OMIM60428)症例は眼症状や片頭痛を伴う。同定された変異はNBCe1の各エクソンに広く分布している。現在精力的に片頭痛症例および対照群DNAでNBCe1のゲノム解析を行なっている。 IRBIT(AHCYLI)遣伝子解析:IRBITがNBCe1のB,Cヴァリアントに特異的なN末配列に結合することによりその正常機能発現に必須であり、NBCe1の機能低下の原因として病態への関与が示唆されている。片頭痛患者においてゲノム解析を試みている。 NBCe1完全機能欠損およびヴァリアント特異的機能欠損マウスの解析:野生型、NBCel機能完全欠損マウス(NBCe1^<W516X/W516X>)、およびNBCe1ヴァリアント特異的機能欠損マウス(Ahcyl1l^<tm1Kmik>)の大脳皮質から既報の方法(J Neurosci17:6850,1997)に従い培養アストロサイト細胞を試みていく。 NBCe1変異の機能解析=NBCe1変異体の機能解析については、アフリカツメカエル卵母細胞のtwo-electrode voltag clamp法を用いてNBCe1電流を測定とHEK293細胞に遺伝子発現させてNBCe1輸送活性を測定する。また変異体やWTと共発現させて細胞膜発現機能の異常の有無を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NBCe1のSNPデーターベースのコンストラクト解析により、50%程度の機能低下を引き起こすSNPを報告している。更にNBCe1のノックインマウスの解析を報告し、眼症状(白内障)や重篤な近位尿細管性アシドーシスを生じていることが確認できた。現在長期生存を試み、脳症状出現や病理的変化の検討を行なっている。また片頭痛のデーターベースよりNBCe1の変異体の確認は順調に行われている。
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今後の研究の推進方策 |
片頭痛患者の遺伝子解析からNBCe1の変異体(hetero/homo)の更なる確認作業と確認された変異体の機能解析を行なっていく。
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