研究課題
片頭痛の発症メカニズムに関して、神経シナプス間隙側のグリア細胞膜にはNBCe1が存在する。このNBCe1の遺伝子異常は常染色体劣性で近位尿細管アシドーシスを引き起こす。この患者の中で細胞膜発現を障害する変異で高率で片頭痛を合併することからシナプス間隙をこのNBCe1が調整し、障害されることで片頭痛発症の可能性を提示した。今回、片頭痛の広義の意味で発症の可能性があるか現在までデータベースで報告されているNBCe1のSNPを作成し、発現機能をチェックしたところK558Rの変異はWTと比べて機能は半分以下であった。このことから人口で1%程度のSNPがNBCe1の機能が落ちる可能性を報告した(Yamazaki et al, Pflueger Arch 2011)。更にNBCe1は二量体を形成することが知られているがDominant Nagetive効果が他の近似輸送体(重炭酸輸送体群)で知られている。このことから膜発現をしないL522P変異をWTで共発現したところ、明らかなDominant Negative効果が起こり、WTの機能も著明に低下することを報告した(Yamazaki et al, Pflueger Arch 2013)。以上からNBCe1の機能低下を起こす素因はSNP、DN効果を考えれば頻度が高いと考える。その他、NBCe1機能低下のマウスモデルのホモは早期に死亡し、ヘテロでは片頭痛の所見は確認できなかった。IRBITのKOマウスやNBCe1ヘテロとのモデルは作成できなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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