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2011 年度 実績報告書

miRNA発現調節によるポリグルタミン病の治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 23390231
研究機関名古屋大学

研究代表者

足立 弘明  名古屋大学, 医学系研究科, COE特任講師 (40432257)

研究分担者 祖父江 元  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20148315)
田中 章景  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30378012)
小池 春樹  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80378174)
キーワード球脊髄性筋萎縮症 / miRNA / ポリグルタミン病 / 神経変性疾患 / Dicer / AAVベクター / アンドロゲン受容体 / トランスジェニックマウス
研究概要

chicken β-actinプロモーターの調節下で異常延長したCAGリピート(AR97Q)をもつ、ヒト全長アンドロゲン受容体(AR)遺伝子を発現するトランスジェニックマウス(球脊髄性筋萎縮症マウス:SBMAマウス)においてmiRNAの発現をマイクロアレイを用いて網羅的に解析し、発現変化のみられたmiRNAを同定した。これらのmiRNAを培養細胞を用いてSBMの病態との関連を評価したところ、病因蛋白であるARの発現を減少させる効果があることを見いだした。さらに、AAV(アデノ随伴ウイルス)を用いてこのRNAのうちの一つをSBMAマウスに高発現させることによって、個体レベルでも病因蛋白質であるARの発現を制御して病態抑止効果を発揮するかどうかを検討した。AAV投与群では、変異したARの産生が抑制され、マウスの体重変化、生存率、Rotarod法(回転する棒の上につかまっていられる時間)、Cag eactivity測定法(24時間の動作の回数の測定)のいずれのパラメーターにおいても病態の改善効果を認めた。さらに、マウス解剖組織標本において免疫組織化学などの病理学的検索や蛋白発現解析により病態修飾効果の判定を分子生物学的に行ったところ、SBMAマウスの脊髄や筋肉において変異ARの蓄積が抑制されていた。以上の結果より、特定のmiRNAを高発現させることによる神経変性疾患の新規治療法の開発につながる成果と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

AAV(アデノ随伴ウイルス)を用いて特定のmiRNAをSBMAマウスに高発現させることによって、個体レベルでも病因蛋白質であるARの発現を制御して病態抑止効果を発揮することを見いだし、発表できる段階にあるため。

今後の研究の推進方策

Cre loxPシステムによる組織特異的ノックアウト法を用い、SBMAの病態を有しかつ汎神経特異的および運動神経特異的にDicer機能をノックアウトしたマウス(SBMAトランスジェニック/Dicerノックアウトマウス)を作成する。Cre recombinaseを発現させたマウスとして、汎神経特異的に発現させたマウスと、運動神経特異的に発現させた発現マウスを用いる。上記のマウスの表現型及び病理学的検索や蛋白発現解析により、Dicerノックアウトの効果を解明する。in vitroについては、神経系培養細胞モデルにおいてDicer遺伝子をノックダウンし、AR(正常及び異常延長CAGリピート)の発現量に及ぼす影響、異常ARの毒性の軽減効果を分子生物学的手法を用いて検討する。

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公開日: 2013-06-26  

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