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2014 年度 実績報告書

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーにおける筋線維内アミロイド蓄積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23390236
研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

野口 悟  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, 室長 (00370982)

研究分担者 西村 洋昭  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第一部, 研究員 (10399909)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード細胞・組織 / 蛋白質 / 糖 / 骨格筋 / アミロイド
研究実績の概要

本研究では、縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)での骨格筋線維内のタンパク質蓄積のメカニズムを探ることを目的としている。DMRVマウスにおいては骨格筋線維内のタンパク質蓄積物は微小管に沿って存在し、電子顕微鏡レベルでは、不定形のタンパク質性封入体とそれを取り巻く自己貪食空胞と一致していた。これらの封入体や自己貪食空胞内はアミロイド陽性であった。今年度は、昨年度にひきつづき骨格筋特異的なオートファジー不全マウスを用いて、骨格筋の表現型解析を行った。骨格筋特異的なオートファジー不全マウスの骨格筋は、p62が多量に蓄積し、ポリユビキチン、シャペロンタンパク質も陽性であった。この蓄積はマウスの週齢とともに増加して言った。この蓄積と関連して、骨格筋の収縮力低下および骨格筋の萎縮の進行が見られ、この骨格筋内でのタンパク質蓄積は、骨格筋の機能低下を引き起こしていることが明らかとなった。
また、DMRVマウスでの骨格筋内蓄積タンパク質の解析として、蓄積物に対応して、新たにリン酸化p62抗体にて、p62よりクリアな染色像を取得することに成功し、また、HSP90などのシャペロンタンパク質、さらにリン酸化した翻訳開始因子が、このタンパク質封入体に一致して存在していることを見いだした。このことは、DMRV骨格筋において蓄積タンパク質が、細胞内のストレス応答機構によって認識され、かつ翻訳系の停止と関連していることを表しており、異常タンパク質の骨格筋内蓄積においても、神経変性疾患などで提唱されているような応答経路の存在を明らかにすることが出来た。
さらに、DMRVマウス中枢神経系で、このようなタンパク質の蓄積が存在するのかを解析したが、同マウスの脳内には、全くタンパク質の蓄積は認められず、組織学的な変化も見い出されなかった。この結果はDMRV患者において、知能が正常に保たれていることを支持するものであった。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Absence of beta-amyloid deposition in the central nervous system of a transgenic mouse model of distal myopathy with rimmed vacuoles.2014

    • 著者名/発表者名
      Anada RP, Wong KT, Malicdan MC, Goh KJ, Hayashi YK, Nishino I, Noguchi S
    • 雑誌名

      Amyloid

      巻: 21 ページ: 138-139

    • DOI

      10.3109/13506129.2014.889675.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Allele-specific Gene Silencing of Mutant mRNA Restores Cellular Function in Ullrich Congenital Muscular Dystrophy Fibroblasts.2014

    • 著者名/発表者名
      Noguchi S, Ogawa M, Kawahara G, Malicdan MC, Nishino I
    • 雑誌名

      Mol Ther Nucleic Acids

      巻: 3 ページ: e171,

    • DOI

      10.1038/mtna.2014.22.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Mutation profile of the GNE gene in Japanese patients with distal myopathy with rimmed vacuoles (GNE myopathy)2014

    • 著者名/発表者名
      31.Cho A, Hayashi YK, Monma K, Oya Y, Noguchi S, Nonaka I, Nishino I
    • 雑誌名

      J Neurol Neurosurg Psychiatry

      巻: 85 ページ: 912-915

    • DOI

      10.1136/jnnp-2013-305587

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sialyllactose ameliorates myopathic phenotypes in symptomatic GNE myopathy model mice.2014

    • 著者名/発表者名
      27.Yonekawa T, Malicdan MC, Cho A, Hayashi YK, Nonaka I, Mine T, Yamamoto T, Nishino I, Noguchi S
    • 雑誌名

      Brain

      巻: 137 ページ: 2670-2679

    • DOI

      10.1093/brain/awu210

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] Sialyllactose trial on GNE myopathy mouse model.2014

    • 著者名/発表者名
      Noguchi S
    • 学会等名
      GNE myopathy Consortium Workshop,
    • 発表場所
      Berlin, Germany (BEUTH HOCHSCHULE FUR TECHNIK BERLIN University of Applied Sciences)
    • 年月日
      2014-10-12 – 2014-10-12
    • 招待講演
  • [学会発表] GNE myopathy: Assessment of an adeno associated virus AAV2/8 based GNE gene delivery system.2014

    • 著者名/発表者名
      Mitrani-Rosenbaum S, Yakovlev L, Becker Cohen M, Rivni O, Harazi A, Noguchi S, Nishino I, Fellig Y, Argov Z
    • 学会等名
      19th International Congress of the World Muscle Society,
    • 発表場所
      Berlin, Germany (Langenbeck-Virchow-Haus)
    • 年月日
      2014-10-07 – 2014-10-10
  • [学会発表] 6’-シアリル乳糖は高齢発症GNEミオパチーマウスの筋症状を回復する2014

    • 著者名/発表者名
      112.米川貴博,野口 悟,Malicdan MC,林由起子,埜中征哉,峯 利喜,山本 岳,西野一三
    • 学会等名
      第55回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      福岡 (福岡国際会議場)
    • 年月日
      2014-05-21 – 2014-05-24

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公開日: 2016-06-10  

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