研究課題
近年、アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン(PolyQ)病など多くの神経変性疾患において、いずれも異常蛋白質のミスフォールディング・凝集が共通に神経変性を引き起こすと考えられている。本研究では、PolyQ病の治療法開発へ向けて、異常伸長PolyQ鎖特異的結合ペプチドQBP1を応用して異常伸長PolyQ蛋白質選択的に分解を促進させることを目指して、以下の研究を行った。1)PolyQ病病態におけるp62を介する蛋白質分解システムの役割の解明PolyQ病モデルショウジョウバエMJD-Q78 Flyとp62機能喪失変異体ショウジョウバエp62def Flyとの遺伝学的交配を行い、p62の機能喪失によりMJD-Q78 Flyの複眼変性が増悪することを明らかにした。この影響は、p62に対するRNAi発現を発現するショウジョウバエp62-RNAi Flyにおいても確認され、また別のPolyQ病モデルショウジョウバエHtt-Q97 Flyにおいても同様の結果であった。次に免疫染色を行ったところ、p62の機能喪失によりMJD-Q78蛋白質の細胞質凝集体が著明に増加した。一方、ウェスタンブロット解析ではp62の機能喪失は可溶性MJD-Q78蛋白質量に対しては明らかな影響を与えなかった。しかしながら、薬剤誘導性ドライバーによるコンディショナルモデルを用いたパルスチェイス解析では、p62の機能喪失によりMJD-Q78蛋白質の分解が有意に遅延した。さらにオートファジー関連遺伝子Atgの機能喪失によっても、同様にMJD-Q78蛋白質の分解遅延、複眼変性の増悪を認めた。以上の結果から、p62は細胞質における異常伸長PolyQ蛋白質凝集体のオートファジー分解に関与していると考えられた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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