研究課題
ゲノムのDNAメチル化修飾は細胞分裂を経て遺伝子発現情報や細胞の性質を次世代に安定的に伝達する分子機構であり、原則として遺伝子転写を抑制する。即ち、DNAメチル化と発現の変化が逆相関する遺伝子はDNAメチル化により転写制御を受ける可能性が高い。本研究ではDNAメチル化の網羅的解析法であるMIAMI法(Microarray-based Integrated Analysis of Methylation by Isoschizomers)(Oncogene 25: 3059-3064, 2006)により、出生直後から離乳前の新生仔マウスの肝臓においてプロモーター領域のDNAメチル化と遺伝子発現が逆相関する脂質代謝関連遺伝子を多数同定した。興味深いことに、これらの多くが脂肪酸β酸化経路を構成する酵素群であること、バイオインフォマティクス解析により、これらの遺伝子のプロモーター領域に核内受容体peroxisome proliferator-activated receptor-α(PPARα)との結合配列が高頻度に出現することを予備的に見出した。PPARα欠損マウスを用いた検討と母獣マウスのPPARαリガンド投与実験により、出生直後から離乳前の新生仔マウスにおける脂肪酸β酸化経路のDNA脱メチル化はPPARαに依存的であることを明らかになった。以上により、塩基配列特異性を有する核内受容体PPARαが活性化されて標的遺伝子のプロモーター領域にDNAメチル化制御因子をリクルートしてDNAメチル化と転写活性の変化をもたらすことが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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