研究概要 |
平成23年度の研究実施計画書に記載した各内容に関して報告する。 1)ヒトIAPPによる膵β細胞障害とオートファジー ヒトIAPPノックインマウスで膵β細胞特異的にATG7を欠損するマウスと、マウスIAPP遺伝子を有する通常の膵β細胞特異的にATG7を欠損するマウスをそれぞれ相応数作製し、この両者の耐糖能、膵β細胞容積等の表現型、アミロイド蛋白質の蓄積の有無を比較している。現在のところ、ヒトIAPPの発現する膵β細胞特異的ATG7ノックアウトマウスでは耐糖能の悪化は認められるもののアミロイド蓄積は認められていない結果が得られている。 2)膵β細胞におけるp62蛋白質蓄積の病態生理学的意義の解明 筑波大学の石井哲郎博士らが作製したp62floxマウス(Okada K et a1. Hepatol Res,39:490-500,2009)を入手、と膵β細胞特異的ATG7ノックアウトマウスを交配し、膵β細胞特異的ATG7&p62ダブルノックアウトマウスを作製すべく、順調に交配は進んでいる。 3)プロテオミクスを用いた膵細胞におけるオートファジーの基質蛋白の網羅的解析 膵β細胞特異的ATG7ノックアウトマウス(Rip-Cre;Atg7f/ff)及びコントロールマウス(Atg7f/fマウス)の単離膵島を用いて2次元電気泳動を行ない発現量が異なるタンパクを同定、その中で、Atg7ノックダウン膵β細胞株INS1細胞においても同様に発現低下の認められるタンパクを同定した。
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