研究課題
本年度は第一に、まれな性成熟疾患であるアロマターゼ過剰症(AEXS)1家系において新たな15番染色体微細構造異常を同定した。これによって、本症の発症に染色体組換え異常とDNA複製エラーに起因するさまざまなゲノム再構成が関与することを明確とした。また思春期前AEXS患者の臨床像と内分泌学的データから、小児患者におけるエストロゲンの基質として、副腎由来アンドロゲンの関与が大きいことを明らかとした。第二に、次世代シークエンサーを用いたアンプリコンシークエンスによって、ゴナドトロピン分泌不全症患者の変異スクリーニングを行った。多数の患者において病的変異を同定した。重要な成果として、男性患者1例においてはじめてFGF8フレームシフト変異を同定し、FGF8機能喪失がゴナドトロピン欠損のみならず先天性甲状腺機能低下や心奇形の発症に関与する可能性を見出した。またマウスを用いた実験から、FGF8変異が視床下部―下垂体機能異常と陰茎伸展障害を介して重度の外性器男性化不全を招くことを見出した。第三に、さまざまな遺伝子異常症の病態を明確とした。特記すべき成果として、性分化におけるGSTA遺伝子群の機能、CYP21A2異常症の表現型スペクトラムを明らかとした。さらに、性分化疾患発症における潜在性ゲノムコピー数異常の寄与を明確とした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://nrichd.ncchd.go.jp/endocrinology/