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2011 年度 実績報告書

造血制御中枢としての骨組織の評価

研究課題

研究課題/領域番号 23390251
研究機関神戸大学

研究代表者

片山 義雄  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80397885)

キーワード骨細胞 / 動員 / G-CSF
研究概要

平成23年度には、サイトカインG-CSFが骨髄中の造血幹・前駆細胞(HSC/HPC)を末梢血に動員するメカニズムに、骨組織に埋もれた細胞が関与しているかどうかについて主に検証した。まず、野生型マウスにG-CSFを投与すると、骨組織における骨細胞特異的遺伝子群のmRNA発現量の変化が、従来造血幹細胞ニッチと考えられている骨芽細胞特異的遺伝子群のそれよりも早期に起こることを確認し、G-CSFによって惹起されるシグナルに対して、骨芽細胞よりも骨細胞の方が鋭敏であることを捉えた。これが、G-CSFによる刺激で興奮した交感神経から放出されたカテコラミンによるものである可能性を、骨細胞でのβ2-アドレナリン受容体の免疫染色で確認した。更に、G-CSFを投与した野生型マウスでの骨細胞の形態変化を観察し、骨表面の骨芽細胞と連絡している骨細胞からの突起が非常に少なくなっていることを見いだし、G-CSF投与で骨組織内骨細胞から骨表面骨芽細胞へのシグナルが低下することが示唆された。
実際に骨細胞がG-CSFによるHSC/HPCの動員に重要であるかどうかを検証するため、骨細胞特異的にジフテリア毒受容体を発現させたマウス(DMP1-DTR Tg)にジフテリア毒を投与し骨細胞を死滅させた後、G-CSFでの動員を試みた。この実験でHSC/HPCの骨髄中の数は変化がなかったものの、末梢血への動員は著明に低下していた。すなわち、動員に骨組織に埋もれた骨細胞が必須であることが世界で初めて示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画調書に記した平成23年度の研究をほぼ計画通りに進めている。世界初の知見を得ており、研究結果も含めおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、現在までに得られた知見と神経系との関連をもう少し深く追求すると共に、研究計画調書通り他の老化モデルマウスで同様な知見がえられるかどうか検討していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Osteocytes embedded inside bone are essential for G-CSF-induced hematopoietic stem/progenitor mobilization2011

    • 著者名/発表者名
      Noboru Asada
    • 学会等名
      53th American Society of Hematology Annual Meeting
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2011-12-12

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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