研究課題/領域番号 |
23390251
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片山 義雄 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80397885)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 造血幹細胞 / ニッチ / 骨細胞 |
研究概要 |
造血幹細胞ニッチとしての骨芽細胞を神経システムを介して制御するサイトカイン G-CSF は、実は骨芽細胞よりも先に骨細胞の機能変化をもたらし、骨髄腔側とは反対の骨組織内からニッチの抑制をかけることにより、骨髄から末梢血への造血幹細胞の動員を促すことを示すことができた。これは、骨に覆われた骨髄での造血システムが、骨組織から機能的影響を受けていることの直接的証拠と捉えられる(論文投稿中)。 H24年度の詳細としては、G-CSF投与中の骨における骨細胞特異的遺伝子の推移を調べることによって、骨芽細胞よりも骨細胞の方がG-CSF刺激に対して鋭敏であることを、前年に骨全体でのmRNAで捉えていたが、これをより骨細胞特異的なものと証明するため、蛋白分解酵素を用いた骨細胞分離を行い、標的細胞を純化した上で証明した。また、骨組織内骨細胞を除去した状態での骨髄内のニッチ因子の上昇が骨髄内造血幹細胞の細胞回転を静止期に保つ方向に働くことを突き止め、骨が骨髄内の造血幹細胞ニッチ全体に影響を与えている構図を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
造血幹細胞ニッチとしての骨芽細胞を神経システムを介して制御するサイトカイン G-CSF は、実は骨芽細胞よりも先に骨細胞の機能変化をもたらし、骨髄腔側とは反対の骨組織内からニッチの抑制をかけることにより、骨髄から末梢血への造血幹細胞の動員を促すことを今年度までに示すことができた。これは、骨に覆われた骨髄での造血システムが、骨組織から機能的影響を受けていることの直接的証拠と捉えられる。論文投稿中である本知見は、骨髄造血幹細胞ニッチに対するコンセプトの明らかな前進であり、当初の計画は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度では、この骨組織内骨細胞と骨髄内造血幹細胞ニッチをつなぐシグナルの実態について研究を発展させる予定である。特に神経シグナルが骨細胞に与える影響と、それによる骨細胞と骨髄内ニッチとの間のシグナルクロストークの実態や変化を更に詳しく解析していく予定である。
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