研究課題
申請者らは先行研究において、ヒト急性骨髄性白血病(AML)における癌幹細胞であるCD34+CD38-白血病幹細胞とCD34+CD38-ヒト正常造血幹細胞を純化し、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、T-cell immunoglobulin mucin-3 (TIM-3)が、正常造血幹細胞には発現せずに、白血病幹細胞に特異的に高発現していることを報告した(Kikushige et al., Cell Stem Cell, 2010)。本研究において、申請者らはTIM-3を標的とした治療戦略を開発するうえで、その機能解明が重要であると考え、ヒト白血病幹細胞におけるTIM-3の機能解析を行った。TIM-3リガンドであるgalectin-9およびHMGB-1に注目し、TIM-3リガンドによる刺激後の白血病幹細胞の網羅的遺伝子発現変化を評価したところ、galectin-9が特徴的遺伝子発現変化をもたらすことを見いだした。そこで、まずgalectin-9に着目して研究をすすめた。ヒトgalectin-9の生理的血中濃度を明らかにするために、健常人および造血器腫瘍患者血清中のgalectin-9濃度をELISA法により測定した。その結果、急性骨髄性白血病患者では、galectin-9の血中濃度が上昇していることを見いだし、その機序として白血病細胞自身がgalectin-9を産生、分泌していることを明らかにした。また、その下流のシグナル経路の同定を行い、TIM-3の機能として自己複製能を含む幹細胞活性に関連していることを見いだした。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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