研究課題
近年アレルギー性疾患病態にはT helper細胞の活性化を中心とした獲得型アレルギーと、自然免疫系の活性化が主体となる自然型アレルギーが存在することが想定されてきている。中でも、アレルギー疾患の発症に最も重用なサイトカインの一つであるIL-33を介したアレルギー疾患モデルは自然型アレルギーと呼ばれ、その発症機序の解明が待たれていた。本研究ではIL-33を介して誘導されることが明らかになっているプロテアーゼ型アレルゲン投与によって惹起される「EIAI:(好酸球性気道自然炎症)」と「NIAI:(好中球性気道自然炎症)」の炎症動態に着目して研究が行われている。我々はpapainの吸入終了後、経時的にBALF(肺胞洗浄液)中細胞数とサイトカイン、ケモカイン濃度を測定した。その結果、炎症反応が二相性(初期反応(1日目)と遅発反応(7日目))となる過程で、初期反応はIL-33が非T細胞(マスト細胞、好酸球、好塩基球、Innate Lymphoid cellなど)を介して誘導されるのに対して、遅発反応はRag-2陽性細胞(主としてT細胞)を介していることが明らかとなった。また、初期反応に先立ちpapain吸入後6Hを最大とする一過性のIL-33放出が誘導された後に、6Hと72Hをピークとする二峰性のIL-13の誘導が認められ、遅発反応は強い好酸球浸潤を伴うことが明らかとなった。さらに、このようなpapainには性差(メスに比してオスの反応は軽微)や年齢差(加齢マウスでは炎症惹起しない)、さらには種差(BALB/cAマウスでは好酸球性炎症が起こらない)などの宿主側の要因がおおきくえんきょうすることが明らかとなった。これらの知見はヒトの気管支喘息の発症とその病態を検討する上で重要な情報をもたらすと考えられる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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