研究課題/領域番号 |
23390267
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
呉 繁夫 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10205221)
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研究分担者 |
冨永 悌二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00217548)
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キーワード | モヤモヤ病 |
研究概要 |
モヤモヤ病(MMD)は両側ウイリス動脈輪の閉塞と異常側副血管新生による脳虚血・出血を特徴とする。我が国のMMDは、患者の約半数は小児例で、小児脳卒中の主因であるため、小児疾患として重要である。私達はMMD日本人患者を対象に、全ゲノム相関解析を行い、染色体17q25-ter領域から疾患感受性遺伝子RNF213を同定した。更にこの遺伝子変異解析によりMMD患者の72%に共通であるアミノ酸置換を伴う創始者点変異を同定した。RNF213機能は未解析であり、変異蛋白質がどのような機序で脳血管障害に至るかは不明である。本研究では、遺伝子改変マウスの作成と解析により、RNF213遺伝子の生理的役割を解析し、脳血管狭窄と異常側副血管形成の発症機序の解明を目的とする。Rnf213遺伝子をコンディショナル・ノックアウト・マウスを相同組換え法により、その作出に成功した。その後、このコンディショナル・ノックアウトマウスのホモ接合体マウスを作成し、Creリコンビナーゼを利用して機能喪失を誘導した。誕生したホモ接合体マウスは、生存した状態で誕生し、その後も成獣まで生育した。次に、このマウスの脳血管の走行を血管内に色素を注入し観察した。更に、脳血管の組織票標本を作成し、病理額的な解析を実施した。その結果、現在のところ、正常マウス、ヘテロ接合体マウス、ホモ接合体マウスの間で脳血管の走行や血管壁の顕微鏡学的構造に違いを見出していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、平成23-24年度にRnf213遺伝子の遺伝子改変動物を作成し、平成25年度にその解析を実施する計画となっている。平成23年度に計画していたRnf213遺伝子のコンディショナル・ノックアウト・マウスの作成とその表現型の解析に遅滞が生じていたが、平成23年度の後半より、この遅れを取り戻し、平成24年度末までに、Rnf213遺伝子のコンディショナル・ノックアウト・マウスの作成、そのホモ接合体の作成、Creリコンビナーゼによる機能喪失の誘導、得られたノックアウト・マウスの血管走行や血管組織の病理学的検索解析を開始することができた。したがって、研究計画はほぼ順調に進展している考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、最初のMMD感受性遺伝子であるRNF213の機能及び生理的役割をノックアウト・マウスおよび日本人創始者変異を導入したノックイン・マウスを作成・解析する事により理解し、MMDにおける脳血管の狭窄と側副血管の異常新生の発生メカニズムを解明する事を目的としている。既に、「現在までの達成度」の項に記載したように、コンディショナル・ノックアウト・マウスに成功し、更に日本人高頻度遺伝子変異を導入したノックイン・マウスの作成に成功している。最終年度である平成25年度は、これらのマウスの解析を実施する。血管内皮細胞機能の検索をこの検索により、ノックアウト・マウスとノックイン・マウスの持つ機能的な相違点を明らかにし、RNF213遺伝子変異の持つ意味を明らかにする。
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