研究課題
小児の代表的な難治性固形腫瘍である横紋筋肉腫、肝芽腫および肺芽腫の臨床検体を用いて、次世代シークエンサーを用いたエクソーム解析および全ゲノム解析を行い腫瘍の発症およびがん幹細胞を制御する標的分子の同定を試みた。また、神経芽腫において、がん幹細胞の制御に重要な役割を果たしていると推定されるポリコーム群遺伝子80個のdeep sequencingを行い、発症・進展への関与を検討した。横紋筋肉腫におけるエクソーム解析および全ゲノム解析では、FGFR4 pathwayに重複変異が見出された。そこで、60例のvalidation cohortを用いて、FGFR4 pathwayに見出された標的分子計8遺伝子、全長500kbの領域のdeep sequencingを行った。その結果、FGFR4 pathway変異は約30%の症例に検出され、特に胎児型横紋筋肉腫に多い傾向が見られた。従って、胎児型横紋筋肉腫の発がんにFGFR4 pathway変異が関与している可能性が示唆された。また、肝芽腫10例および肺芽腫7例のエクソーム解析では、肝芽腫におけるCTNNB、APC遺伝子の重複変異、肺芽腫におけるDICER1の高頻度は両アレル変異が見出された。これらの遺伝子は、肝芽腫や肺芽腫の発症に関与していることが示された。さらに、神経芽腫96検体におけるポリコーム群遺伝子80個のdeep sequencingでは、12例(13%)の例で、変異が検出された。これらの変異の大部分は排他的に起こっていることから、神経芽腫の一部では、ポリコーム群遺伝子の異常が発症に関与していることが示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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