研究課題
1、小児がんにおけるATMの役割解明網羅的にATM依存的に発現調節をうけるmiRNAの解析を行った。その結果、発現に変動のある数多くのmiRNAを同定した。このうちのいくつかについて定量的PCR法を用いて発現量の再確認を行い、いくつかのmiRNAの発現量がATM欠損により大きく変動することが明らかになった。これらの機能解析を行いmiRNA-Aが細胞分化を阻害することが明らかとなった。またmiRNA-Bが細胞をトランスフォームし、腫瘍化能があることが明らかとなった。2、増殖シグナル制御におけるATMの役割解明細胞増殖においてATMが活性化されATMの機能的失活が腫瘍化にとって必要なことが明らかとなった。ATMハプロ欠損の遺伝的背景によりBCRABLトランスジェニックマウスが腫瘍化までの期間が短縮されることが明らかとなった。3、細胞分化における転写制御とATMの新機能の解明ATM欠損細胞マウスではT細胞受容体再構成が始まる段階で分化障害があることが明らかとなり、この時点でのT細胞受容体再構成の失敗が染色体転座を引き起こすことが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
ATMによって制御を受ける経路、分子を複数同定することができた。今後各々について、さらなる詳細な検討を加える。
今回同定されたmicroRNAがどのような機序により細胞の癌化にかかわるか、また染色体転座がどのように腫瘍化に関わるか検討する。
すべて 2011
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Hum Mutat
巻: vol.33 ページ: 198-208
10.1002/humu.21632
PLoS One
巻: vol.6 ページ: e23432