研究課題
慢性骨髄性白血病は融合遺伝子p210BCR/ABLにより発症する造血器悪性腫瘍である。慢性骨髄性白血病を発症するp210BCR/ABLトランスジェニックマウスに、DNAの修復や細胞周期の制御に関わるATM(Ataxia Telangiectasia Mutated)の欠損マウスを掛け合わせることにより、慢性骨髄性白血病の発症や急性転化におけるATMの役割について検討した。その結果p210BCR/ABLトランスジェニックATMヘテロ欠損マウスで急性転化までの期間が短縮されることが明らかとなった。この研究により疫学的に推測されている毛細血管拡張性運動失調症ATの保因者における高発がん性が、細胞生物学的にも立証できたと考える。またこういった腫瘍に対する治療法の開発を試みた。ATM欠損細胞は相同組み換え修復能が低下し、PARP阻害剤に高感受性を示すことが知られている。p210BCR/ABLもまた相同組み換え修復能を阻害することが知られている。このような結果にもとずきPARP阻害剤に対する感受性検討している。またDNA損傷を誘導する薬剤がどのように細胞死にかかわるか検討した。また抗がん剤であるヒドロキシウレアが細胞死を誘導するにはエンドヌクレアーゼであるArtemisが必要なことを明らかにした。トポイソメラーゼ阻害剤であるエトポシドはATM欠損細胞に強く細胞死を誘導し、ATMとトポイソメラーゼIIαの相互作用が重要であることが明らかとなった。DNA損傷応答が腫瘍化の防御機構で重要な役割を担っていること、抗がん剤の作用機序を考える上で重要なことが明らかとなった、
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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