研究課題
先天性心血管奇形は新生児に最も多く発症する先天奇形であり、その病因解明や治療法・診断法の開発が急がれる。その見地より、心血管系の発生・形態形成の分子メカニズムを解明することは非常に重要であり、特に転写調節因子を中心とした遺伝子発現制御機構の研究は大きな意義を有する。私達は、Notch情報伝達系の下流ターゲット因子であるHrt転写調節因子ファミリーを同定し、Hrtが心血管系の分化・形態形成に必須の役割を有することを報告してきた。今回の研究では、Hrtファミリー遺伝子の欠損(KO)マウス・conditional KOマウスと分子生物学的手法を組み合わせ、心血管発生・形態形成におけるHrtファミリーの意義、上流シグナルによる発現調節機構、下流遺伝子を介した心血管細胞機能制御メカニズムを明らかにすることを目的とした。これまでに、Hrt転写因子の血管内皮細胞における機能が胎生期の血管形態形成に必須であること、Hrt転写因子の内皮細胞における発現がNotch情報伝達系に加えてBMP-ALK1シグナル伝達系によっても制御されていることを明らかにした。今後これらの研究結果を発展させ、心血管系の発生・形態形成・成熟機能を制御する転写調節・情報伝達ネットワークの検討を行う計画である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Genesis
巻: 52 ページ: 897-906
10.1002/dvg.22825