研究課題/領域番号 |
23390276
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 孝雄 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (80171495)
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研究分担者 |
小崎 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30234743)
三橋 隆行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80338110)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 神経発生 / 細胞周期 / 大脳皮質 / エピジェネティクス |
研究概要 |
本研究ではエピジェネティクス機構、特にクロマチン構造を制御するヒストン脱アセチル化酵素が、大脳皮質を構築する神経前駆細胞の細胞周期調節機構に果たす役割を解明する。具体的にはヒストン脱アセチル化酵素を神経前駆細胞特異的に、かつ発生時期特異的に強制発現させることのできるマウスを作成、ヒストン脱アセチル化酵素Sir2強制発現により神経前駆細胞に惹起される細胞分裂動態の変動と、結果として大脳皮質の組織学的構築に生じる異常を解析する。本年度は、昨年度作成したダブルトランスジェニックマウス(nestin-rtTA、TRE-Sir2)を用いて以下の実験を実施した。 ダブルトランスジェニックマウス胎児を孕む母マウスに、ドキシサイクリンと対照としてのリン酸緩衝生理食塩水を胎生14日午前9時より12時間おきに経口投与した。胎生16日目のマウス胎児において、S期特異的マーカーであるIdUおよびBrdUを2時間の時間差をもって母マウスに腹注し、その後BrdUをさらに16.5時間投与した。出生21日目の仔マウス大脳を4%パラフォルムアルデヒドで固定後、IdUおよびBrdUに対する二重免疫組織染色を行い、IdUと初回BrdU投与の間の2時間に分化を開始した細胞群をIdUのみで標識された細胞として大脳皮質内に同定した。その結果、Sir2を強制発現した場合対照群と比較して神経細胞が表層で増加することが明らかになった(投稿準備中)。 以上から、Sir2が神経前駆細胞の細胞分裂動態に重要な役割を持ち、その強制発現により大脳皮質構築に異常を生じること、さらに神経前駆細胞の細胞周期長の調節に重要な緩衝作用があることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した実験のうち一つが現在進行中で完了していないが、おおむね当初の計画通り研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も研究実施計画に則り着実に研究を実施し、研究内容を論文発表する予定。
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