研究課題/領域番号 |
23390277
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
南沢 享 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40257332)
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研究分担者 |
横山 詩子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70404994)
合田 亘人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00245549)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 先天性心疾患 / 未熟児 / プロスタグランジン / 血管リモデリング / 酸化ストレス / 血管内皮細胞 / 弾性線維 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
動脈管は胎生期にのみ開存し、生直後の肺呼吸の開始とともに直ちに閉塞にむかう。生直後の血管収縮に伴う機能的閉鎖から、血管内腔面が閉塞し、血流が遮断され、最終的には索状の線維性組織(解剖学的閉鎖)へと変化する。この劇的な変化を生じるための構造上の特徴として、動脈管には血管内膜肥厚や弾性線維の形成不良が認められる。動脈管閉鎖の分子機序を解明し、新たな治療法を開発することは、小児医療上、極めて重要な研究課題である。本研究では、その特徴ある血管構造を形成する分子機序を詳細に解明することを目的とし、動脈管の分化・リモデリングの分子機序を検討することで、動脈管リモデリングを選択的に制御する治療法の確立を目指した。 1) PGE2-EP4シグナル経路においてcAMP経路を介さない下流シグナルとして、DNAマイクロアレイを用いて、NFkB経路が活性化している可能 性が示唆された。さらに PGE2-EP4刺激によって分泌される細胞外基質を網羅的に質量分析計を使って調べ、Novの分泌増加が認められた。 2) 酸素が、bFGFの分泌増加を介して動脈管リモデリングにも関与していること を明らかにした。 3) 動脈管が弾性線維低形成をきたす分子機序の解明: 動脈管では弾性線維の形成不良が認められるが 、EP4遺伝子欠損マウスの動脈管は弾性線維形成不良が認められないことから、EP4刺激が弾性線維低形成の原因であるとの仮説をたて、EP4が弾性線維 形成を制御する分子機序の解明を試みた。また、BNラットを用いて、弾性線維低形成、動脈管開存症をきたす原因遺伝子の同定を、DNAマイクロアレイ法を用いて試みた。 4) 動脈管内皮細胞と隣接する他の血管(大動脈など)の内皮細胞を純粋分離し、動脈管内皮細胞に特異的に発現する遺伝子をDNAマイクロアレイで明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに進行し、計画に支障を来す問題点は生じていない
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今後の研究の推進方策 |
研究は計画通りに遂行されているため、当初の計画通りに研究を推進する。特にDNAマイクロアレイの結果、明らかになったBNラット動脈管特異的遺伝子やラット動脈管内皮細胞特異的発現遺伝子についての機能を重点的に調べてゆく。
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