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2012 年度 実績報告書

有棘赤血球舞踏病におけるオートファジー性神経変性の分子的機序の解明と治療的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23390291
研究機関鹿児島大学

研究代表者

佐野 輝  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178800)

研究分担者 中村 雅之  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90332832)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード有棘赤血球舞踏病 / chorein / オートファジー / VPS13A / 免疫沈降 / 免疫細胞化学 / HEK293細胞 / 結合タンパク質
研究概要

遺伝子工学的に作成したVPS13Aコンストラクトを導入したベクターをトランスフェクションし,chorein を強制発現させたHEK293細胞のstable transformant細胞株と空のベクターのみをトランスフェクションしたHEK293細胞(コントロール細胞)を用いて血清除去培地を用いて飢餓状態をつくりオートファジーを誘導した。両者の生存率を測定すると、choreinを強制発現させた細胞の方が有意に生存率が高かった。このことから、choreinは飢餓状態においてオートファジーを誘導した際に細胞死から救済する因子であることが示唆された。免疫沈降法によってchoreinがalpha-tubulinと結合していることを生化学的に証明した。Chorein を強制発現させた細胞はchoreinと融合したtagを有する。このtagに対する抗体を用いて免疫沈降を行い、choreinと結合するalpha-tubulinについて、オートファジー誘導時との結合の違いを解析したところ、飢餓状態下におきオートファジーを誘導するとchoreinはtublinとの結合を強める可能性が示唆される結果を得た。また、免疫蛍光染色において、choreinとalpha-tubulinの共在を観察すると、オートファジーを誘導した際に共在率がより増加する傾向を認めた。これらのことから、choreinはオートファジー誘導性細胞死の抑制に関与しており、有棘赤血球舞踏病の分子病態にはオートファジーが関連する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の研究課題では、(1)Choreinの分子機能を明らかにするために、choreinと分子的な結合を介して相互作用を行っている蛋白質を見い出すことを目的として生化学的にchorein結合蛋白質を同定し、(2)オートファジー誘導性細胞死にchoreinが関わる分子的機構を詳細に検討し、(3)オートファジーを介した細胞死を食い止める方法論を開発することを目的とした細胞レベルおよびin vivoレベルでの実験を行い、(4)ChAc患者の表現型にオートファジー関連遺伝子群が関与していないかを分子遺伝学的に検討する。という4点を目標のうち、今年度に概ね(1)の生化学的にchorein結合蛋白質を同定することができ、(2)のオートファジー誘導性細胞死にchoreinが関わる分子的機構としてtubulinが関与することを突き止めることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、オートファジーを介した細胞死を食い止める方法論を開発することを目的とした細胞レベルおよびin vivoレベルでの実験を行い、ChAc患者の表現型にオートファジー関連遺伝子群が関与していないかを分子遺伝学的に検討する。
オートファジー誘導時にchoreinと結合を強めるalpha-tubulinは微小管を構成するタンパク質であり、beta-tubulinとヘテロ二重体を形成しており、その重合と解離によって伸長と短縮を繰り返している。細胞内には、多数の伸長を促進する因子(微小管安定化因子)と短縮を促進する因子(微小管不安定化因子)の双方が存在しており、組織や細胞あるいは細胞周期などに応じて微小管のダイナミクスが調節されている。細胞レベルで微小管不安定化因子などを投与した際のオートファージ-とchoreinとの関わりを解析し、invivoでは有棘赤血球舞踏病モデルマウスのを用いてオートファジーの病態への関与を検討する。
ChAc患者の表現型にオートファジー関連遺伝子群が関与していないかを微小管関連タンパク質をコードする遺伝子群についてシークエンシングを行い、表現型との相関について解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Chorein interacts with cytoskeletal proteins on nutrient starvation in HEK293 cells.2013

    • 著者名/発表者名
      N. Sasaki, M. Nakamura, N. Shiokawa, A. Deguchi, A. Sano
    • 学会等名
      Neuro 2013
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20130620-20130623

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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