研究概要 |
27例(平均年齢50.3±15.2歳, meanPAP(mPAP):39.8±13.8mmHg,PV resistance:596.9±236.3)を対象に炭素11標識acetate PETにより右心室の心筋酸素代謝が上昇していることを昨年度までに報告した。肺高血圧症では左室の心仕事効率は健常対照と著変を認めなかった(4.62±1.02X106 vs. 4.42±0.99X10E6 mmHg・mL/min2, P=0.15)。一方右心室ではパワーが肺高血圧患者で有意に上昇し(P<0.001)、仕事効率も有意に上昇を認めた(0.40±-0.14 vs. 0.17±0.12 J/s・min-1・g, P=0.01)。 血管拡張薬治療を強化することで肺血管抵抗は低下する傾向(P=0.29)にあり、右室心筋酸素代謝は低下し(0.044±0.008 to 0.039±0.007/min, P=0.002)、一方右心室仕事量は改善した (P=0.017)。結果として心筋酸素消費量当たりの容量効率に有意な改善を認めた(730.8±253.6 to 1038.5±262.7 mL/min・m2, P<0.001)。 また右室の駆出率を酸素15標識ガスにて自動的に計測するプログラムを開発した。 心サルコイドーシスにおける検討では心臓病変を疑われるサルコイドーシス患者において心サルコイドーシス疑い患者11例で検討した。左室全体のC-11 HED RIは患者群で健常対照に比して有意に低下を認めた(0.10±0.05 vs. 0.16±0.029 %/min, P=0.01)。患者群ではFDG陽性病変が有る群のHED RIの低下を認めた(0.070±0.034 vs. 0.13±0.047 %/min, P=0.04)。
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