強度変調原体照射中の同時４次元ＣＴ撮影法と腫瘍位置検出システムの開発

2013 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 23390298
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80188896)
• 研究分担者: 出町 和之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00292764) ; 増谷 佳孝 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20345193) ; 作美 明 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30360556) ; 芳賀 昭弘 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30448021) ; 西尾 禎治 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (40415526) ; 白石 憲史郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40447404) ; 山下 英臣 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70447407) ; 井垣 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90361344)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: VMAT / コーンビーム CT / 呼吸性移動 / 4D-CT / IMRT / VMAT-CT / radiotherapy

研究概要

昨年度までに、我々は、「強度変調原体照射法」(VMAT)と治療中にkVコーンビームCT (kV-CBCT)を撮影する「同時kV-CBCT撮影」を合体させた”VMAT+同時kV-CBCT“の手法をさらに発展させ、同時kV-CBCTを呼吸位相毎に再構成した「4次元同時kV-CBCT」を開発した。この技術により、VMAT中の腫瘍と隣接臓器の運動の映像化と定量化が可能となる。本年度は、この4次元同時kV-CBCTを用いて、治療中の腫瘍の動きの定量的な統計解析を行い、治療計画時に設定された、腫瘍の呼吸性移動を考慮した照射マージンが適切に設定されているかどうかを検証した。VMATによる肺定位放射線治療を行った15人の肺がん患者に対して、統計的解析を行った。
また、この4次元同時kV-CBCTと治療中の放射線治療装置の動作記録を組み合わせて、呼吸位相毎に実際に処方された線量分布を取得し、それらを重ね合わせることによる、治療中4次元線量分布を世界で初めて取得することに成功した。これにより、呼吸性移動が線量分布に与える影響を定量的に評価することが可能となった。この技術は、確認された線量の過不足を、次回の照射日において補填する、適応型放射線治療に繋がると考えられる。
ただ、kV-CBCTは、治療計画に用いられるFan-Beam CTに比べ、散乱線により画質が劣化しているため、より高精度な線量計算を行うためには、画質の改善の余地がある。一方、同時kV-CBCTは、治療ビームの照射を伴わない通常のkV-CBCTと基本的には画質が変わらないことが分かっている。従って、通常のkV-CBCTの画質向上を図ることで、同時kV-CBCTの画質も向上し、より高精度な線量計算が可能な、同時kV-CBCT画像を取得できると考えられる。そこで、kV-CBCTの画質改善に向けて、X線検出における統計雑音を抑制する逐次近似再構成法と被写体による散乱線の補正を組み合わせることにより、3次元kV-CBCTの画質改善を行った。

現在までの達成度 (区分)

理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Impact of flattening-filter-free techniques on delivery time for lung stereotactic volumetric modulated arc therapy and image quality of concurrent kilovoltage cone-beam computed tomography: a preliminary phantom study. (2014)
  • 著者名/発表者名: Nakagawa K, Haga A, Sakumi A, Yamashita H, Igaki H, Shiraki T, Ohtomo K, Iwai Y, Yoda K.
  • 雑誌名: J Radiat Res. 巻: Jan 1; 55(1) ページ: 200-2.
  • DOI: 10.1093/jrr/rrt105.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Longitudinal assessments of quality of life and late toxicities before and after definitive chemoradiation for esophageal cancer. (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamashita H, Omori M, Okuma K, Kobayashi R, Igaki H, Nakagawa K.
  • 雑誌名: Jpn J Clin Oncol. 巻: Jan; 44(1) ページ: 78-84.
  • DOI: 10.1093/jjco/hyt170.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Multidisciplinary medical care in radiation oncology. (2013)
  • 著者名/発表者名: Igaki H, Shiraki T, Yamagami M, Haga A, Nakagawa K.
  • 雑誌名: Gan To Kagaku Ryoho. 巻: Apr; 40(4) ページ: 440-3.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Eleven secondary cancers after hematopoietic stem cell transplantation using a total body irradiation-based regimen in 370 consecutive pediatric and adult patients. (2013)
  • 著者名/発表者名: Omori M, Yamashita H, Shinohara A, Kurokawa M, Takita J, Hiwatari M, Nakagawa K.
  • 雑誌名: Springerplus. 巻: Aug 30; 2 ページ: 424.
  • DOI: 10.1186/2193-1801-2-424.
  • 査読あり
• [雑誌論文] A newly introduced comprehensive consultation fee in the national health insurance system in Japan: a promotive effect of multidisciplinary medical care in the field of radiation oncology--results from a questionnaire survey. (2013)
  • 著者名/発表者名: Igaki H, Onishi H, Nakagawa K, Dokiya T, Nemoto K, Shigematsu N, Nishimura Y, Hiraoka M
  • 雑誌名: Jpn J Clin Oncol. 巻: Dec; 43(12) ページ: 1233-7.
  • DOI: 0.1093/jjco/hyt147.
  • 査読あり
• [雑誌論文] The feasibility and efficacy of stereotactic body radiotherapy for centrally-located lung tumors. (2013)
  • 著者名/発表者名: Takahashi W, Yamashita H, Omori M, Kitaguchi M, Shibata-Kobayashi S, Sakumi A, Nakagawa K.
  • 雑誌名: Anticancer Res. 巻: Nov; 33(11) ページ: 4959-64.
  • 査読あり
• [雑誌論文] High-dose-rate intra-cavitary brachytherapy combined with external beam radiation therapy for under 40-year-old patients with invasive uterine cervical carcinoma: clinical outcomes in 118 Patients in a Japanese multi-institutional study, JASTRO. (2013)
  • 著者名/発表者名: Yamashita H, Niibe Y, Toita T, Kazumoto T, Nishimura T, Kodaira T, Eto H, Kinoshita R, Tsujino K, Onishi H, Takemoto M, Hayakawa K.
  • 雑誌名: Jpn J Clin Oncol. 巻: May; 43(5) ページ: 547-52.
  • DOI: 10.1093/jjco/hyt029.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Guidelines for respiratory motion management in radiation therapy. (2013)
  • 著者名/発表者名: Matsuo Y, Onishi H, Nakagawa K, Nakamura M, Ariji T, Kumazaki Y, Shimbo M, Tohyama N, Nishio T, Okumura M, Shirato H, Hiraoka M
  • 雑誌名: J Radiat Res. 巻: May; 54(3) ページ: 561-8.
  • DOI: 10.1093/jrr/rrs122.
  • 査読あり
• [雑誌論文] High-dose-rate interstitial brachytherapy for gynecologic malignancies--dosimetric changes during treatment period. (2013)
  • 著者名/発表者名: Onoe T, Nose T, Yamashita H, Yoshioka M, Toshiyasu T, Kozuka T, Oguchi M, Nakagawa K.
  • 雑誌名: J Radiat Res. 巻: Jul 1; 54(4) ページ: 663-70.
  • DOI: 10.1093/jrr/rrs130.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dose verification of volumetric modulated arc therapy (VMAT) by use of in-treatment linac parameters. (2013)
  • 著者名/発表者名: Haga A, Sakumi A, Okano Y, Itoh S, Saotome N, Kida S, Igaki H, Shiraishi K, Yamashita H, Ohtomo K, Nakagawa K.
  • 雑誌名: Radiol Phys Technol. 巻: Jul; 6(2) ページ: 335-42.
  • DOI: 10.1007/s12194-013-0205-6.
  • 査読あり
• [雑誌論文] Verification of planning target volume settings in volumetric modulated arc therapy for stereotactic body radiation therapy by using in-treatment 4-dimensional cone beam computed tomography. (2013)
  • 著者名/発表者名: Takahashi W, Yamashita H, Kida S, Masutani Y, Sakumi A, Ohtomo K, Nakagawa K, Haga A.
  • 雑誌名: Int J Radiat Oncol Biol Phys. 巻: Jul 1; 86(3) ページ: 426-31.
  • DOI: 10.1016/j.ijrobp.2013.02.019.
  • 査読あり
• [学会発表] 肺がんVMAT-SRTにおける呼吸抑制再現性の検証 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中川恵一、芳賀昭弘、木田智士、増谷佳孝、山下英臣、髙橋渉、作美明、早乙女直也、白木尚、大友邦
  • 学会等名: 日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 20131018-20131020
• [学会発表] NK/T-cell lymphoma,nasal type 11例における照射線量及び化学療法の比較 (2013)
  • 著者名/発表者名: 軽部雅崇、山下英臣、中川恵一
  • 学会等名: 日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 20131018-20131020
• [学会発表] 術前放射線治療を施行した直腸癌症例における治療前FDG-PETと予後についての検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大森万美、山下英臣、中川恵一
  • 学会等名: 日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 20131018-20131020
• [学会発表] 乳房温存療法後の二次発癌は独立した予後不良因子である (2013)
  • 著者名/発表者名: 白石憲史郎、中川恵一、河守次郎、衣袋健司、福内敦、西常博
  • 学会等名: 日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 20131018-20131020
• [学会発表] 低線量被ばくリスクの「正しい」伝え方―既知の他のリスクと比較するのは是か非か？ (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐倉統、水島希、加瀬郁子、伴信彦、黒田佑次郎、坂田尚子、作美明、中川恵一
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第56回大会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 20131018-20131020
• [学会発表] 放射線リスクコミュニケーションとリスク認知に関する研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中川恵一、黒田佑次郎、坂田尚子、作美明、伴信彦、坪野圭介、岩満優美、竹村和久、水島希、加瀬郁子、佐倉統
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第56回大会
  • 発表場所: 青森
  • 年月日: 20131018-20131020
• [学会発表] 食道扁平上皮癌の根治目的化学放射線治療法におけるHER-2とCLDN-5の予後予測因子としての意義 (2013)
  • 著者名/発表者名: 芝田紫野, 山下英臣, 松坂恵介, 中川恵一
  • 学会等名: 第72回日本医学放射線学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20130411-14
• [学会発表] 進行直腸癌16症例に対する術前化学放射線治療におけるVMAT-IMRTを用いたSIB法の初期経験 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山下英臣, 大熊加惠, 中川恵一
  • 学会等名: 第72回日本医学放射線学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20130411-14
• [学会発表] 全骨髄照射時の卵巣機能温存についての検討 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大森万美, 山下英臣, 中野正寬, 中川恵一
  • 学会等名: 第72回日本医学放射線学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20130411-14
• [学会発表] 再発・転移症例における緩和的肺定位照射 (2013)
  • 著者名/発表者名: 大熊加惠, 山下英臣, 中川恵一
  • 学会等名: 第72回日本医学放射線学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20130411-14
• [学会発表] VMAT治療中に取得する4DコーンビームCTによる肺腫瘍の位置照合精度 (2013)
  • 著者名/発表者名: 芳賀昭弘, 中川恵一, 木田智士, 増谷佳孝, 山下英臣, 高橋渉, 今江禄一, 白木尚, 早乙女直也, 作美明
  • 学会等名: 第72回日本医学放射線学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20130411-14