研究課題/領域番号 |
23390302
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 和正 九州大学, 大学病院, 准教授 (20284507)
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研究分担者 |
塩山 善之 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10323304)
有村 秀孝 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (20287353)
穴井 重男 九州大学, 大学病院, 放射線技師 (90380469)
吉留 郷志 九州大学, 大学病院, 放射線技師 (70419612)
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キーワード | 拡張現実感技術 / 放射線治療 / 画像誘導放射線治療 / セットアップ |
研究概要 |
本研究の目的は、拡張現実感技術等の画像処理技術を用いて、放射線治療室内の実空間と、治療計画CTまたは治療計画時の体位情報から取得された体輪郭、ターゲット、照射野、アイソセンタ等の3次元情報を同一空間に表示することにより、新しい放射線治療のセットアップ技術を開発することである。 本年度は、位置精度検証方法の確立とセットアップ技術を開発するするための3Dカメラの導入を行った。位置精度検証ツールについては、Cubic-QA(Phantom内部に挿入されている幾何学的スケールを用いた放射線照射野対レーザー位置検証QAツール)及びRT-XYZステージ(高精度のX,Y,Z移動が可能なファントム台専用固定具)を用いることとした。本システムにより、ファントムをX,Y,Z軸方向(移動分解能:0.01mm)に精密に動かすことができ、本研究で開発するセットアップ技術の位置精度評価に用いることが可能となった。 また、本研究での新しいセットアップ技術の開発のためには、治療計画時の体位等の3次元情報を取得する技術が必要となる。その実現のため、3DカメラとしてPMD CamCube3.0を選択した。PMD CamCube3.0は、三次元距離イメージセンサーを搭載した3D-TOFタイムオブフライト方式のカメラで、Realtimeに3次元画像が取得できる。本システムを使って、治療計画時の3次元の体位情報を取得するためのシステムを構築中である。これにより、まず頭頸部の放射線治療におけるセットアップの精度向上を目標としている。 本研究の成果により、治療計画時の3次元位置情報をモニタ上に表示させ、その画像に合わせ込むシステムを実現でき、日常のセットアップ精度の向上に非常に有用なツールとなると考えられる。また患者体表面のマーキングを省略または簡略化できる可能性を追求していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付内定が平成23年11月と遅れたことにより、研究の開始が平成23年11月からとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度~平成25年度初めに本セットアップ技術を完成させる予定である。平成25年度中旬以降には予定通り、本システムの精度検証を行うことを予定している。研究開始が遅れたために、当初の計画よりやや研究の開始が遅れているが、平成24年度からは、研究分担者有村の研究室の本研究のプログラム開発を担当することとなっており、また、研究協力者のエンジニアリングシステム(株)種裕之氏、藤本和士氏との研究協力も進んでおり、最終的目標は達成できるものと考えている。
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