研究課題/領域番号 |
23390302
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 和正 九州大学, 大学病院, 准教授 (20284507)
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研究分担者 |
塩山 善之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323304)
有村 秀孝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20287353)
吉留 郷志 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (70419612)
穴井 重男 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (90380469)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | 拡張現実感技術 / 放射線治療 / 画像誘導放射線治療 / セットアップ |
研究概要 |
本研究の目的は、拡張現実感技術等の画像処理技術を用いて、放射線治療室内の実空間と、治療計画CTまたは治療計画時の体位情報から取得された体輪郭、ターゲット、照射野、アイソセンタ等の3次元情報を同一空間に表示することにより、新しい放射線治療のセットアップ技術を開発することである。 昨年度に、セットアップされた患者の体表面の位置情報取得のための3DカメラとしてPMD CamCube3.0を採択した。PMD CamCube3.0は、三次元距離イメージセンサーを搭載した3D-ToF(Time of Flight)方式のカメラで、リアルタイムに3次元画像が取得できる。 本年度はToFカメラから得られるrange imageとCT画像の位置のずれを検出するシステムを開発し、その位置認識精度を検証した。まず、骨盤部のファントムを3mmスライス、512 x 512のマトリクスサイズにてCT画像を取得、ファントム表面のvoxelを抽出、セットしたToFカメラと同じ空間座標に配置した。ファントムを右左方向に5±0.5 mm移動させ、さらに前後軸に対し5±0.05°回転させて配置し、ToFカメラがずれをどの程度検証できるかを調べた。位置誤差の検証には、iterative closest point (ICP) registration techniqueを用いて、ToFカメラから得られるrange imageとCT画像間でのずれを計測した。左右方向では測定誤差は2.1±0.74 mm、回転方向の測定誤差は0.76±0.11°であった。今後は測定精度向上のためのソフトウェアの改良を行い、システムの完成を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付内定が平成23年11月と遅れたことにより、研究の開始が平成23年11月からとなったために当初研究計画はやや遅れていた。平成24年度にはToFカメラを採用、位置検出のためのソフトウェア開発まで行うことができ、当初の予定よりはやや遅れているものの、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度には測定精度向上のためのソフトウェアの改良を行い、システムの完成を目指す予定である。平成25年度中旬以降には予定通り、本システムの精度検証を行うことを予定している。研究開始が遅れたために、当初の計画よりやや研究の進行が遅れているが、平成24年度は、ほぼ予定通りソフトウェアの開発ができた。研究協力者のエンジニアリングシステム(株)種裕之氏、藤本和士氏との研究協力も進んでおり、最終的目標は達成できるものと考えている。
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