• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

神経系腫瘍幹細胞の放射線抵抗性と分化に対する重粒子線照射の影響

研究課題

研究課題/領域番号 23390304
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

長谷川 正俊  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50251111)

研究分担者 大野 達也  群馬大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10344061)
加藤 真吾  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00370875)
片山 絵美子  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00596950)
井上 和也  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (20596952)
キーワード癌幹細胞 / 神経幹細胞 / 放射線抵抗性 / cDNAアレイ解析 / アポトーシス / p53 / 膠芽腫
研究概要

1)放射線感受性,遺伝子発現と幹細胞との関係を明らかにする目的で,p53野生型の上衣芽腫,p53変異型の膠芽腫をヌードマウス皮下に移植して,X線,炭素イオン線(290MeV/u, 6 cm-SOBP, NIRS),1Gy, 2Gy, 8Gy, 16Gy, 24Gyの1回照射をおこない,4,6,24時間後に腫瘍を摘出して,RNAを抽出してcDNAアレイ解析,階層型クラスタリング,Gene Ontology解析,Pathway解析,リアルタイムPCRを実施した。さらにフォルマリン固定,パラフィン包埋切片でH.E.染色による病理組織学的検討、アポトーシス誘発の頻度の検討を行った。これまでの解析で, p53変異型の膠芽腫においては,2Gy照射後6時間における遺伝子発現は非照射対照群とほぼ同様で変動が乏しかったが,8Gyおよび16Gy照射群では,4~6時間後,さらに24時間後に遺伝子発現の変動(上昇,低下)がみられ,特に炭素イオン線16Gy照射後で最も明瞭で,しかもX線と炭素イオンでは多少異なる傾向も認めた。p53野生型の上衣芽腫では,p53, Bax, Fas, TRAIL, PI3K等の変動を認め,同時に高率なアポトーシス誘発も確認したが,膠芽腫ではこれらに有意な変化を認めず,p53R2, p70S6K, TRAIL-R, NF-kB, IkBa, IAP, STAT, HSP, VEGF等の発現変動を認め,アポトーシス抑制,生存,その他に関係する経路の関与が示唆された。
2)X線,重粒子線の照射による増殖遅延,再増殖の有無と組織学的変化,遺伝子発現との相関を検討する目的で,X線1, 2, 4, 8, 12, 16Gyをヌードマウス皮下の移植腫瘍に照射後,腫瘍径の計測を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DNAアレイ解析,組織標本作製等を含めておおむね順調に進んでいる。ヌードマウス移植腫瘍の増大がやや遅く,実験期間が多少延長したために,増殖遅延計測、DNAアレイ解析後の免疫組織化学,リアルタイムPCR等、一部の実験を24年度に繰り越したが,ほぼ計画どおりの研究が実施できている。

今後の研究の推進方策

特に大きな問題はなく,平成23年度からに平成24年度に繰り越した研究も実施できているので,基本的には当初の計画どおり研究をすすめていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] IAP and NF-kappaB activation induced by carbon ion beams in human

    • 著者名/発表者名
      長谷川正俊
    • 学会等名
      第53回米国放射線腫瘍学会(ASTRO)
    • 発表場所
      マイアミビーチコンベンションセンター(米国)
  • [学会発表] 放射線治療とアポトーシス

    • 著者名/発表者名
      長谷川正俊
    • 学会等名
      日本放射線影響学会 第54回大会
    • 発表場所
      神戸商工会議所(神戸市)

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi