難治性膵癌に対し、低侵襲で効率的な新技術の開発を目的とした膵灌流療法で、最適の抗がん剤注入速度は安全面から40 ml/minであり、この注入速度での追加実験で有害事象の発現及び病理学的異常は認めなかった。薬理学的動態も非常に優れており、得られた新知見は新しく特許出願を行った。以上の結果を踏まえて臨床試験を開始し、5例の進行膵癌患者(IVb期)に対し、膵灌流療法を施行したが、Grade 2以上の有害事象は認めず、膵癌縮小効果と膵周囲のリンパ節転移に対して有効であった。本治療法は、世界初の膵灌流療法であり、新たな化学療法の展開と優れた治療成績を得る可能性が高い。
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