研究課題
(1)全摘後ラットに移入されたII型肺胞上皮細胞がsex-miss matched systemにより確認された。同時に細胞移入ラットの肺胞密度は全摘をされていないラットと同等のレベルであったことから、移入されたII型肺胞上皮細胞が肺胞新生に関与していることが推察された。(2)ヒトII型肺胞上皮細胞を80%以上の純度で分離する手法を見いだし、さらに2-4週間の短期培養にも成功した。その過程でII型肺胞上皮細胞に特有のSp-Cの発現が低下し、代わりにI型肺胞上皮細胞に特有のaquaporin-5の発現が増強される傾向にあった。また肺を全摘されたヌードラットに経気道移入したところ、わずかながら生着しているヒトII型肺胞上皮細胞が確認された。(3)-1)健常者5名について深吸気位、深呼気位、中位でCTを撮影し、Work stationを用いて肺容量、肺密度を算出し、両者を乗じることで仮想肺組織量をもとめたところ、各呼吸位における肺容量、肺密度は大きく変化したが仮想肺組織量は一定であった。2)肺癌で外科療法を受けた患者について、術前、術後の仮想肺組織量を測定したところ、切除量の大きい患者、および肺気腫のない患者における仮想肺組織量は、予測値を有意に上回っていた。
2: おおむね順調に進展している
2012年に最初の9-(1)の実験を終了し、誌上発表することができた。9-(2)、(3)についても学術誌の投稿するべく準備中である。これらは当初の研究計画に概ね沿っており、区分(2)と判断した。
(1)ラットの肺全摘モデルや肺傷害モデルを用い、II型肺胞上皮細胞の経気道移入による組織再生を検討する。(2)ヒト切除肺よりI型肺胞上皮細胞を分離し、免疫不全ラットに移入し同様に組織再生能力があるか検討する。(3)CT画像による肺組織量定量について検討する。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)
J Thorac Cardiovasc Surg
巻: 143 ページ: 711-719