研究課題/領域番号 |
23390312
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉野 一郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40281547)
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研究分担者 |
坂入 祐一 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30551949)
溝渕 輝明 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50569861)
吉田 成利 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90334200)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 肺再生 / 代償性肺成長 / 肺切除 / II型肺胞上皮細胞 |
研究概要 |
①新鮮な臨床切除肺より酵素処理法、濃度勾配縦走円心法などによりII型肺胞上皮細胞を分離法を確立した。収率は肺容量1mlより70万個、1gより160万個であった。さらに3週間の短期培養法を安定させた。また培養中にI型肺胞上皮細胞への分化傾向をaquaporin-5による免疫染色およびfローサイトメトリーにて確認した。 ②このヒトII型肺胞上皮細胞を左肺全摘したnu/nu ratに経気道移入したところ、1ヶ月後に抗ヒトHLA-B抗体、および抗ヒトcalnexin抗体による免疫染色にて染色される細胞を肺胞壁に認めた。さらにヒトSpC遺伝子のプライマーでPCRを行い、わずかではあるがバンドが検出された。 ③マウスiPS細胞を培養し、安定して対数増殖を維持する事が可能となった。 ④京都大学呼吸器外科との共同研究で、肺移植生体ドナーの下葉切除後1年後の残肺の画像学的な容積および重量を測定し、何れも予測値を上回ることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の方向性は、これまでの進捗状況により修飾されたが、マウスiPS細胞の肺胞上皮細胞への分化のためのSpC遺伝子プロモーター導入の目途がたったこと、また画像的肺組織量(重量)の測定法が京都大学の協力をえて確立に近づいたことで、臨床肺再生療法の手法や評価法の確立という大きな目的に向けては順調な基礎研究となったため。
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今後の研究の推進方策 |
①マウスiPS細胞にSpC遺伝子プロモーターを導入し、II型肺胞上皮細胞への分化を企図する。 ②誘導されたII型肺胞上皮細胞を左肺全摘されたGFP-マウスに経気道移入し、代償性肺成長の有無を検討する。 ③肺傷害マウスにて②と同様の研究を行う。 ④臨床肺癌症例において切除後の残肺の代償性変化を画像的肺組織量(重量)を経時的に測定していき、肺機能と対照し、画像的肺組織量の理論的根拠を確認する。
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