研究課題
ハイブリッドペプチドは、癌細胞の細胞表面に特異的に結合するリガンドペプチド(binding peptide)と細胞殺傷効果を有する膜溶解ペプチド(lytic peptide)を結合させた新しい分子標的薬である。正常細胞と比較して癌細胞により多く発現する腫瘍表面分子に結合し、膜を破壊し癌細胞を死滅させる。様々な固形がんにおいて、インターロイキン4受容体(IL-4R)が高発現していることより、IL-4Rに注目して、胆道がんへの新しい分子標的治療として、IL-4Rαに結合するIL-4Rαハイブリッドペプチドの有用性を検討した。胆道がん細胞株におけるIL-4Rαの発現に関して解析し、すべての細胞株でIL-4Rαの発現が認められた。細胞株における、IL-4Rα-hybrid peptideの殺細胞効果を、MTT assayにて解析し、胆道がん細胞株での強い殺細胞効果を認めた。さらに、マウスに胆道がん細胞を皮下腫瘍移植しXenograft model を作製し、食塩水をコントロールとして、Lytic peptide、IL-4Rα-hybrid peptideを5、10mg/kg腫瘍内投与した。食塩水、Lytic peptideでは腫瘍が増大しているのに対して、IL-4Rα-hybrid peptideでは、濃度依存的に腫瘍の縮小を認め肝・腎障害や体重減少などは認めなかった。これらのことより、IL-4Rα-hybrid peptideは、胆道がんの新たなオーダーメイド治療として期待がもてる。本研究成果は、Int J Hepatologyに掲載予定である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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