研究課題/領域番号 |
23390320
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
嶋田 裕 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (30216072)
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研究分担者 |
塚田 一博 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (90171967)
奥村 知之 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 助教 (10533523)
有馬 美和子 埼玉県立がんセンター, 臨床腫瘍研究所, 副部長 (00312950)
安部 哲也 愛知県がんセンター(研究所), 医長 (90378092)
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キーワード | 早期発見 / バイオマーカー / miRNA / 次世代質量顕微鏡 |
研究概要 |
まず、検体採取法について検討し、アプロチニン含有スピッツによる解析ではヒト以外の動物腫のタンパク質やmiRNAが混在することが判明したことから、EDTA含有スピッツでの採取を採用した。 研究は多施設共同研究とし、内視鏡にて完全切除が期待される食道早期癌で同時性他臓器との重複癌は除外する患者を対照とした。なお内視鏡切除が可能であれば食道内多発、前がん病変の有無および患者の全身状態は問わないこととした。当院を含めて3施設で倫理委員会の承認が得られ研究を開始すると主に、後1施設では病院改築に伴う体勢作りが行われており、終了後に承認の見通しである。現在まで2施設での10例の登録が終了し、サンプルの京大への搬送が終了している。今後、症例の登録が上手く進まない場合は、新たに共同研究施設を追加する予定である。 次世代質量分析器が期待していた網羅的解析には不向きであるが、糖鎖抗原の解析に優れていることが判明したことから、質量分析の対象としては我々が見いだしたFGFRLの蛋白での解析を目指して、糖鎖抗原について解析を行っている。またFGFRLについては抗体作製を行い、ELIZAレベルでの検討も目指している。また既存の腫瘍マーカーであるCEA,CA19-9,SCC,Her-2などの中で、7糖鎖と比較的糖鎖の少ないHer-2に関して消化管での検出について解析中である。網羅的組織アレイの検討では消化管全般にわたって発現しており有力なターゲットと考えている。 一方、血中miRNA解析ではマイクロアレイ解析とPCR解析の解離があり、解析方法を絞り込めていない。なお、Multiple RT-PCRについては、我々が見いだしたmir210を含めた解析を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多施設共同研究で本学と他の1施設で検体採取が始まっているがまだ開始されていない施設が2施設存在する。食道癌におけるターゲット蛋白候補がまだ絞り込めていない。血中miRNAの検出にはマイクロアレイでの再現性に問題がありmulti RT-PCRを平行して検討している。次世代質量分析器は特に糖鎖に対する解析能に優れており今後は糖鎖に縛り検討する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には4施設で検体採取を可能としたい。必要があれば共同研究施設を追加する。バイオマーカーの候補タンパク質として各種糖鎖抗原の検討を開始した。
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