研究課題
食道扁平上皮癌(ESCC)の「個別化医療」実現のため、臨床情報を付帯した高品位臨床検体を対象に次世代テクノロジーを駆使して抽出するオミックス情報から、悪性度や治療効果予測アルゴリズムを構築すると共に分子標的治療の標的遺伝子候補探索を目的に研究を推進し、24年度に引き続き25年度は以下の成果を得た。1. ESCC臨床例からの臨床検体と派生するバイオリソース、臨床情報収集:(1)術前化学療法または化学療法単独、(2)術前化学放射線療法または化学放射線療法単独、(3)化学放射線療法など体系化されたプロトコールで治療されたESCC臨床例の組織ならびに臨床情報の収集・データベース作成を継続した。個々の症例における病態や変異に類似するモデル実験系構築のために癌細胞株も追加収集した。2. ESCCのオミックス解析:次世代シーケンサー・アレイによるゲノム配列、ゲノムコピー数、DNAメチル化、遺伝子発現解析の継続とデータ蓄積を進めた。他のグループとの連携による配列収集の推進を図ると共に、全ゲノム解析の検討も開始し、これらを基に、オミックスデータの統合情報解析法の改良を進めた。これらの各取り組みから候補遺伝子を同定すると共に、腫瘍内の不均一性に基く治療効果の推定の可能性の検討、ゲノム編集によるハイスループット機能解析系構築にも取り組んだ。3. ESCC以外の腫瘍ならびに他疾患について、解析プラットフォームが有用であることを確認し、ゲノム・エピゲノム異常の標的遺伝子同定を進めることができた(Oncogene 2014他)。これらの結果から、本課題で構築されたシステムにより、さらにESCCの診断・治療標的同定達成が期待できることが示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
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